アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
生き巣にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
生き巣
-
「——僕と同じ感想とか、不愉快でしかないね」
夜見に覆いかぶさっていた汚い男を引き摺り下ろすと、すかさず伊集院が両手両足をへし折った。
「夜見。遅くなってごめんね」
ベッドに横たわる夜見を覗きこむと、頬に緋い筋が有った。
あぁ、さっきちょっと垂れちゃったのか。
「か、い…かい、カイ?カイ?」
きょとんとしていた顔が、段々と解けて、頬に赤みがさす。
「うん。僕だよ。痛い所とかない?」
「ぁ、う、うう、うぇぇぇぇぁあん!ごわっ、ぇぐ、ごわがっだよぉ!」
「ん。元気だね。良い子良い子」
「だっご!だっごじで!」
がちゃがちゃと枷を鳴らす夜見を見て、少しの嗜虐心が沸く。
が、ここは我慢して、それぞれ錠を外してあげた。
「がいっ!」
「ぉっと、はいはい。僕も夜見も汚れちゃってるから帰ったらお風呂入ろうね」
着物のはだけた夜見を抱っこすると、血にぐっしょりと濡れた僕が冷たいのかぶるりと身体を震わせながら、頭だけでこくこくと頷く。
「こいつはどうします?」
「鼠…虫の餌にしようか」
「承知しました」
「あっ、カイ、カイ」
「ん?」
「えと、えっと。やる。と、はつもの。って何?」
「難しい事だから、夜見は知らなくていいよ。伊集院」
「はい」
「やっぱり止めた」
「ではどのように?」
痛みか、恐怖か、どちらかは分からないが、カタカタと身体を震わせる男を見下して、言い捨てる。
「虫の巣」
「承知しました」
「さてと、夜見」
うぅん。と不服そうな顔をしていた夜見に声を掛ける。
「帰ろっか」
「カイぃ」
一気にして輝く笑顔。
会話は成り立ってないが、それでもいい、それが、夜見だから。
血に濡れた手で滑らかな肌をしっかりと抱え直して、安っぽいビジネスホテルを後にした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
17 / 21