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変にしおりをはさみました!
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変
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ちらりと視線をやるとお二人はラストスパートに掛かっているのか、机に上体を預けた三神様の後ろに覆いかぶさった夜見様が、獣の様に腰を振って、何故か喘いでいた。
「それで、夜見ちゃんもそのお試しの夜に呼ばれたんだけど、何したと思う?」
「…何って、その…え?」
『現状とおんなじかな』
「…ぇ」
「そうそう、察しが良くなってきたね。
まぁ、あの時は同意の上じゃ無かったからレイプになるのかな?和姦じゃ無くて、強姦」
「で、でも、え?それで決めたって、あの、どういう」
「さぁ、それは俺も知らない…終わった?」
料理長が身体の向きを変えて、三神様にしがみついたままの夜見様に近寄る。
「ん、は、夜見。よーみ、終わったでしょ?」
「ん、んんぅ、まだ気持ちぃ」
「我儘言わないの。後でまた撫でてあげるから」
「ぇう…撫でてよ?絶対撫でてよ?」
「はいはい」
「ん、分かった」
「良い子」
こぽ、と言う音は、聞こえなかったことにした。
「ほれ、バトンタッチ」
「そうだな…説明しずらいね」
「何のお話?」
「夜見と初めて会った時の話だよ」
「んー、あ、思い出したっ。血がいっぱい出たね」
「そうだね。夜見はそれ見て喜んでたよ。覚えてる?」
「うんっ。えっとね、血がいっぱい出て、ぬるぬるってしてるんだけどざらざらってしてて、すっごい気持ちよかったよ」
「そっか」
「もうそろそろ止めてくれる?精神的に不衛生なんだけど」
「お前ならその位が丁度いいんじゃない?あぁ、そう言えば僕も思い出した。
半蔵君、さっきの話で夜見に僕の手術の話をした医者ってね、こいつだよ」
「え?」
驚き。そして軽蔑。感情がひとりでに動き始めたのを感じる。
「あちゃー、それ言う?良いじゃん別に、夜見ちゃん『だから?』って言っただけなんだし」
「あの時の顔は傑作だったね。絵にかいたようなアホ面で、超間抜けっぽい顔してた」
「そりゃそうでしょ、普通トラウマになったっておかしくないよ?実際俺もそれ狙ったし」
「トラと、お馬さん?」
「夜見はどっちが好き?」
「うーん。お馬さんっ」
「美味しいから?」
「んふふ。うんっ」
「富樫、明日馬刺しね」
「へいへい…ん?半蔵何震えてんの?」
場違いとか、何か、そう言うレベルじゃない。
生きる世界が違う。自分が生きてるのかすら曖昧な気がする。
生きるって、死ぬって、世界って、現実って、空想って…吐きそうだ。
「あ、そうそう半蔵。この話した意味分かるよね?」
「…ぇ」
「逃げようとしたら、殺すから。
君は今この瞬間に、それだけの情報を得たから。良いね?半蔵」
「…は…ぃ」
例え涙が溢れても、口内に胃酸がこみ上げても、膝が笑って腰が抜けても。
何も変わらない。
俺が全てを捨てて手に入れた人生は、当たり前の様に俺の全てを変えた。
自分が失禁していたことに気付くのは、それから暫くしての事だった。
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