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Encounter_22にしおりをはさみました!
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Encounter_22
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「よお、相変わらず辛気臭い顔してんな」
「……うるせーよ。わざわざすまんな」
「いーよ、…そんで、例の少年は?」
目を輝かせてキョロキョロと辺りを見回すのは、昨日連絡した井森だ。見た目は短髪メガネの好青年だがなんせ喧しい奴で、もう1人の腐れ縁の友人と何処か似た雰囲気を感じる。
こいつともう1人の腐れ縁とは、高校からの付き合いだ。それぞれ別々の大学、別々の道に進んだが、連絡はいつも取り合っているくらいには良好な付き合いが続いてる。
しかし、急に任せるのが不安になってきたが…秘密を話せるやつはこいつくらいしかいねぇ。仕方なく玄関を通し、寝室の扉の前に立つ。
開ける前に、井森を振り返って、念を押す。
「…いいか、絶対に驚くなよ。あと、他言無用だ。」
「わーってるって。ケモ耳ショタだろ。」
「危険!こいつ危険!!」
井森は昔からアニメ漫画好きで、少しはファンタジー的展開にも慣れているとは予想していた…が。訳の分からない単語に置き換えた上に息を荒げて興奮気味のこいつを見ると、やはり近づけちゃいけない類いの奴だったかもしれない。
「いいから早く見せろって!」
「あ、おい…!」
井森は渋る俺を押し退け、強引に雪のいる部屋の中へと入っていく。
「お邪魔しまー………」
少し小声になりながら部屋に入った井森の身体が、凍ったように固まった。
目線の先には、警戒するように耳を横一文字に寝かせた雪の姿が。
雪は最初に会った時のようにシーツを掴んで顔を隠し、いきなり入って来た井森から目を離さない。
「雪、こいつが昨日言ってたー…」
「……ま、マジだ……!?」
紹介してやった矢先、井森が頭を抱えて叫びだす。
俺も雪もその音量にびびって固まってると、井森は雪に飛び付くようにベッドに飛び乗った。
「なんだこの猫耳、ちゃんと神経が通ってる…!?
動物と一緒なんだな……うわ、尻尾まで!
それ以外は特に無いか…基本的には人間の身体がベースなのか?
運動神経と身体機能はどちらのものなんだ…?
いや、それよりもこの完璧な融合は非常に興味深い…!」
「ヒッ」
井森はわさわさと無遠慮に雪の身体を触り、一方雪は涎を垂らす勢いで飛び付いて来た井森にガチビビりして青ざめている。
驚き過ぎて逆に警戒するのを忘れてしまっているようだ。
息を荒らげて雪の身体をまさぐる井森に、そこら辺にあった本で脳天チョップを食らわせる。
頭を抱える井森を雪から引き剥がして、床に投げ捨てた。
「〜〜〜っなに、すんだ……!」
「馬鹿!いきなり飛び付く奴があるか!」
もんどり打って床を転げ回る井森を怒鳴りつける。可哀想に雪は状況が掴めないのか、涙目のまま頭に?を浮かべていた。
だから、こいつを呼ぶのは不安だったんだ。
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