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キスにしおりをはさみました!
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キス
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「んっ…」
それは今迄に経験してきたキスとは全く違うものだった。
ただ唇を重ねるだけのものだと思っていたが、その考えは甘く、花の蜜を吸うように軽く唇を吸われる。
女のようにリップクリームなどもつけていない為、本来の唇の触感や熱をダイレクトに感じ、頭がボーっとする。
次第に口の力も緩まり、無意識に軽く唇が開くと、その中にヌルリと柔かい何かが侵入してきた。
「ンゥ…ッ!?」
それが愛島の舌先であるとわかるのに時間はかからなかった。
俺の口内に愛島の舌先が挿し込まれると、俺の歯の形を確かめるように口の中を器用になぞっていった。
上顎や舌の裏側にも舌を這わされ、そのくすぐったいような感触に不覚にも感じてしまているのがわかった。
「んぅ……っ!!ん…ん…っ!」
このままでは俺がどうにかなってしまうと言うのが本能的にわかり、必死で愛島の胸元や顔を押し、抵抗をした。
しかし、愛島はキスを止めようとはせず、尚も舌と舌を絡めていく。
舌同士が絡まることで互いの唾液が溢れ、粘着質な音が室内や耳に響き続ける。
柔らかで少しざらついたその舌の触感は、驚くほどに気持ちが良く、身も心も蕩け、俺の思考を奪っていった。
気づけば俺は力が抜け、ソファに横になる形で倒れこんでいた。
それでも愛島は俺の身体に跨ってしつこくキスを続け、舌を絡めていく。
溢れる唾液がまるでアルコールを含んでいるかのように、口内が熱くなっていった。
それに伴い身体も熱くなり、肩を触られるだけでも感じてしまう程敏感になってしまった。
「んっ…!んぅぅ…!!ンーーーっ!!!」
挙句キスだけで軽く絶頂を迎えてしまい、ビクビクと肩をひくつかせ、痙攣を起こしてしまった。
「んっ…、は…ぁ、は…ぁ…。」
ようやく愛島が唇から離れ、互いの口から唾液が糸を引いた。
虚ろな意識で愛島を見ると、愛島も息を乱しており、いつもの間の抜けた表情からは想像もできない程、目は鋭く、熱を帯びた雄の表情をしていた。
その表情を見て、俺に欲情しているという事は嫌でもわかった。
愛島は口を拭い、しばらく目を閉じて息を少し整えると、いつもの穏やかな表情になってニコリと笑った。
「カミュ……、ワタシのワガママを聞いてくれてありがとうございました。……明日からはまた、いつも通りの先輩と後輩。…でも、今夜はオトヤ達の部屋に泊めてもらいます。コレ以上そんな表情のアナタといたら、ワタシ、自分を抑える自信がありませんから…。おやすみなさい、カミュ。」
そう言い残し、俺の手の甲に軽くキスをすると、小さめのショルダーバッグに荷物を詰め、部屋を出ていった。
パタン、とゆっくり扉が閉まり、それと同時にため息が零れた。
「ハァ…。」
自分で決めた事とは言え、あんな事引き受けるのではなかったと、後悔をした。
時間が経った今でも、鼓動はまだ乱れ、身体は熱く、足がガクガクと震えている。
たかがキス、そう思っていた自分を恨みたくなった。
そして、目を閉じると、また先程の光景を容易に思い出してしまう。
あの時、たった一瞬とは言え、このまま愛島とひとつになってしまいたいとさえ思ってしまった。
それ程までに、愛島とのキスは甘美で、俺を狂わせた。
…そして、結局、この日の夜は眠ることができなかった。
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