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3人目の気持ちにしおりをはさみました!
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3人目の気持ち
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「ゆーたん、お疲れー。なんかお客さんの忘れ物、届けるのに追いかけていったって?よく追いついたねー。」
始末書覚悟だったが、ルンルン気分で店に戻ると西川が、心配した感じで待っていた。
「忘れ物…?」
「上村君から聞いたよー。急いで追いかけて行ったって。館内放送使えばよかったのにー。」
「そう…だった。思いつかなかった。。ゴメンね、忙しかったでしょう?」
「上村君が頑張ってくれたから。」
西川が顎をしゃくった先に上村が荷物を抱えてバックヤードに入っていくところだった。
「上村君。」
荷物を置いていた上村は振り返らなかった。
「何ですか?」
雄大は扉をそっと閉め、頭をかいた。
「ありがとう。その…庇ってくれて。」
その言葉に上村はガバッと立ち上がり、つかつかと雄大に近づいて来た。
「あの…」
雄大は扉に背中をつけた。
上村はポケットから雄大が投げた名札を取り出した。
「それ…」
「庇った訳じゃありません。」
上村の指が、雄大の着ていたグリーンのTシャツの左胸の部分を摘んだ。
その有無を言わせない態度に雄大は固まったまま、ただ目を見開いて、上村の指先を見ていた。
「ただ、あの人を追いかけて行ったってってのを周りに知られるのが嫌だっただけです。」
「痛っ。」
名札の針がシャツをすり抜け、左胸の肌にチクリと刺さった。
上村はその声が聞こえなかったかのように、ちらりと雄大を見て、再び左胸に名札を今度は服の部分だけを通した。
ゆっくりと上村が雄大の正面に立つと、加藤より背の高いのがわかった。
雄大は上村の圧迫感が怖かった。
「ごめん、その…どうしても伝えたいことがあって。席外して悪かった…わっ!」
バンッ!!
と言う扉の音がして、目を閉じた。
「だから何でなの?」
低い声に目を開けると頭のすぐ上に上村の顔があった。
「何で….って?」
上村は雄大の頭の上の部分の扉に右腕を当て、被さるように見下ろしてきた。
「俺、言いましたよね?不釣り合いだって。」
「そんな…何でそんなこと!」
カッなって睨むと上村が乱暴に唇を重ねてきた。
「!!?」
上村の長い睫毛がすぐ側にあり、雄大は何度も瞬きをした。
「んっ!」
雄大が抵抗しようとするが、腕を掴まれ、股下に膝を入れられ、身動き取れず、辛くて目を閉じだ。
「!!?」
すると熱くねっとりとしたモノが唇を舐めてきた。
抵抗するように顔を動かそうとするが、上村の舌先はそんなのをものともせず、雄大の歯茎に侵入してきた。
雄大はなんとか口を開けないように歯を食いしばった。
「!!?」
今度は股下に入れられた上村の膝が、雄大の股間に軽く触れてきた。
(嫌だ…)
ほろりと涙が流れた。
ピンポンパンポン
バックヤードに迷子案内の館内放送合図が聞こえてきた。
上村が離れた隙を見て、雄大は上村を突き飛ばし、急いで扉を開いた。
「もう!2人とも何処まで荷物持って行ったのよ!」
「あははっ….ごめん。。」
雄大は息を整えながら、シャツの袖で自分の唇を拭った。
「いらっしゃいませ。」
『俺は絶対、奪ってみせますから。』
去り際に聞こえた言葉を思い出し、雄大は首元がぞくりとした。
(僕を?それとも加藤さんを?)
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