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パンケーキは女の子っぽいと思うにしおりをはさみました!
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パンケーキは女の子っぽいと思う
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「パンケーキって、初めてです。」
加藤と雄大はテーブルに乗ったパンケーキを上から見た。
「俺も。」
「えっ!?」
雄大は驚いて顔を上げた。
「いや、食べてる子は見るんだけど、食べた事はないだけ。」
(食べてる子を見るって…女の子だよな。。)
複雑な気持ちになりながら、大量の生クリーム、イチゴが沢山乗ったパンケーキを見つめた。
「どうぞ。」
加藤は肘をついて、にこりと笑った。
「い、いただきます。」
(どこから食べればいいんだろう…)
ナイフとフォークを持ったまま周りを見渡すと向かいの女の子は、携帯を取り出し、写メを撮っていた。
「……」
「くっ!」
正面から小さな笑いが聞こえた。
「早く食べなよ。好きなように。」
面白そうに笑う加藤に促されて、雄大は思い切って真ん中にナイフを入れた。
「わぁ☆柔らかい☆」
「へぇー。美味しそうだね。」
パンケーキに生クリームがたっぷり絡まり、その大きな塊をパクリと口に押し入れた。
「んっ…んっ!!」
「美味しい?」
雄大は目を見開いて、頷いた。
加藤は目を細めて、手を伸ばした。
「ここでそのパンケーキを食べてる人を見て、何度も雄大が食べてる姿を想像したんだ。」
加藤は雄大の顔に手を添え、親指で口の端についたクリームを拭った。
「夢が叶ったよ。」
加藤はそう言って、自分の指についたクリームを舐めた。
「甘いね。」
その艶っぽい目に雄大は塊のまま、パンケーキを飲み込んでしまった。
「ゲフゲフゲフ!」
「大丈夫?」
「だ、大丈夫です。。」
キューとアイスコーヒーを飲んだ。
(…今、名前、”雄大”って…そう言えばさっきの時も”雄大”って…)
柔らかい加藤の目が見つめてくる。
(かおが…あつい….)
「食べます?」
耐えきれなくて雄大はナイフとフォークを付け、ススッと皿を差し出した。
「んっ?」
加藤はおっとという感じで、頰杖をやめて、崩れたパンケーキを見た。
「うーん。」
唸った加藤はチャカチャカとパンケーキにナイフを入れた。
お昼が近いのか、徐々に店には人が入りだした。
「はい。」
キョロキョロしていると加藤が大きなパンケーキの塊を雄大に差し出してきた。
「えっ?えっ??」
「はい、あーんして。」
「えっ?あー」
雄大は言われるがまま、口を開けた。
「んっ!」
「くっ!」
加藤がまた楽しそうにナイフとフォークを持ったまま、口を押さえた。
口いっぱい頬張った雄大は、抗議の目を向けたが、加藤はくすくす笑っているだけだった。
「ひろいれす!!」
モゴモゴしながら雄大は抗議した。
「ごめん、ごめん。俺にもしていいよ。」
「!!?」
雄大は目をか輝かせ、加藤からナイフとフォークを受け取ろうと手を伸ばした。
「これはあげられない。」
しかし、加藤はナイフとフォークを後ろ手に隠した。
「えっ!ちょっと…」
「それ、イチゴなら食べれるよ。」
身を乗り出す雄大の手元にあった、イチゴを顎でしゃくった。
「でもフォークないと…」
再び身を乗り出した雄大の唇に加藤は指を当てた。
「手があるでしょう?」
いたずらっぽく笑う加藤と目が合う。
「えっ!?でも…」
周りを見渡すと制服を着た女性客やスーツ姿の年配客も増えてきた。
「ほら、早くしないと雄大の口についたクリームをいただくよ。」
ゆっくり唇をなぞられ、雄大は身体が熱くなった。
「ほら?」
加藤がフォークを持った手で机を軽く叩いた。
(えぇい!!)
雄大は赤いイチゴを摘み、震えそうな手で加藤の顔の前に持って行った。
「早く…食べて下さいよ。。」
周りをちらりと見ながら、雄大は震える声で言った。
加藤は雄大の指に顔を近づけ、その赤いイチゴを口に入れた。
「っっ!」
柔らかい唇が指に当たったのと同時に手を引こうとしたが、その手首を掴まれた。
「なっ!」
加藤は雄大の指についたクリームを舌で舐めた。
それは官能的で、ぞわりとした感触が背中に走った。
「離し…て…加藤さん….」
腕の向こうにいる加藤が攻撃的な目で見てきた。
「成康だよ、雄大。」
指を噛まれ、雄大の心臓は破裂しそうなくらい早鐘を打った。
「なり、、成康さん…」
「合格!!」
成康はパッと手を離した。
「今日は雄大はお休みなの?」
成康はいつもの柔らかい顔に戻った。
「はっ…はい。急に…」
「そうなんだ〜。俺も午後から休もうかな〜。でも午後会議と夜も歓送迎会あるんだよねー。でも歓送迎会も社長のせいで急に予定が延びて、今日になったんだよねー。もう休んでもいいよね?」
「だ、ダメですよ!歓送迎会は幹事じゃなかったですか?」
「そうだけどさー、俺いなくても…。雄大は午後の予定は?てかここには何できたの?」
(はっ!!?)
雄大のウーンウーンと言う携帯の音にようやく気がついた。
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