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フィナーレにしおりをはさみました!
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フィナーレ
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「僕は…会いたいです!!だから、成康さんに会わせてください!んでもって言いたいんです!なんか分かんないけど、成康さんじゃなきゃ、駄目なんです!」
雄大はぎゅっと目をつぶった。
「絶対、探して…」
「”なんか分かんないけど”って、どういう事?」
低くて、よく通る、はっきりとした声。
雄大はパッと開いた。
「俺の事、分かんない?」
見上げるとイルミネーションは点灯していない。
「そんな木の上にはいないよ。」
柔らかい声がすぐ後ろから聞こえる。
「あっ…」
ゆっくりと振り向くと地面に埋め込まれた薄いライトに照らされ、柔らかい表情をした成康が歩いて来ていた。
「”なんか分からない”モノです。」
「な、何で…ここに?」
「何でって、雄大君のお店に行ったら、店長さんがもうヒィーヒィー言ってて、どうしても人が足りないから、一生のお願いって!言われて、お手伝いしてた。んで、今、ゴミ捨てに行こうと思ったら、迷って迷ってここを通りかかったら…」
成康が腕を伸ばして届く距離まで来た。
「丁度、俺の会いたかった人がいた。」
成康の優しい笑顔が浮き上がる。
雄大は急に込み上げて来た。
「ここで待ってれば来てくれると思った。」
雄大は涙をこらえて、顔を上げた。
「あの…なんか分かんないんです…でも…好きなんです。僕は…もう貴方の気持ちは考えません。自分の気持ちと成康さんの事だけを信じていきます。」
成康は雄大の両手を取り、自分の手を重ねた。
「自分の気持ちと俺だけ…か。。とても重いな。」
「……」
雄大はシュンとした。
「でも…分かんからないけど….好き。それはわかる気がする。俺も雄大君がいないとやっぱり駄目みたい。」
顔を上げると10センチ未満に成康の端整な顔があった。
「だから雄大君の心だけを信じるよ。」
雄大は泣きたいのを我慢して、頷いた。
「手が冷たいね。」
さすってくれるが、成康もワイシャツ1枚の寒いような格好だった。
雄大は成康の手を退けて、自分の腕を成康の腰に回した。
「こうすれば暖かいです。」
一瞬びっくりしたような成康だったが、すぐに雄大の背中に手を回した。
「本当だね。」
心音が心地よい。
雄大は安心感で、眠ってしまいそうになる。
「あっ!」
雄大は成康の腕の中で顔を上げた。
「今日はお見合いだったんでしょう?」
成康は苦々しい表情を浮かべた。
「そうなんだ。でもすっぽかしてしまって。。明日には辞表かなー。」
「じゃあ僕が養います!!」
成康はびっくりた顔をしたが、すぐにゆるゆると顔を緩めた。
「お願いします。ご主人様。」
成康はそう言って、雄大の唇に近づいた。
その瞬間、2人の前に輝く光が煌めいた。
「あれ?点いた…」
「本当だ。綺麗だね。」
暗闇に浮かぶ赤、青、黄色、緑、紫、ピンク…まるで光の雪のようだった。
もう一度、2人は近づいた。
「コラーーー!!ゴミ捨てに行ったんじゃなかったのかーー!!」
「あっ…」
向こうの方から、ゴミ袋を持った上村が走って来た。
雄大と成康が上村の方を見ていると逆方向からザワザワと3人の男性が歩いて来た。
「あぁ、よかった!やっぱり間違って電源オフしたみたいだね。電球がショートしたのかと思ったよ。ん?」
男性達は抱き合う成康と雄大を2度見した。
成康と雄大がえへへっと笑っている間に上村が飛び込んで来た。
「ちょっと!何してるんですか!?ゴミ捨て!!」
雄大は成康と目を合わせ、笑った。
(まだまだこれからって事かな?)
終わり
約1年間、ありがとうございましたー!!
いやはや、草食系と言いますが、2人とも一歩引いてしまう同士だったので、進みが悪くて、申し訳ありませんでしたm(__)m
なんとかラストまで持って行けたのは、皆様のお陰でございます。
次回は地味な一般人✖︎身勝手な世間知らずなお坊ちゃんな話を笑って読めるBLを書きたいと思います。
お読みいただけたら、幸いです。
では
おかめ
おまけ↓↓↓
「はっ!ようやく繋がりやがったな、加藤!」
『あっ、お疲れ様です。黒田さん。」』
「黒田さんじゃねぇよ!お前のせいで…」
『あっ、雄大君から聞きました。私の代わりにお見合いを…大丈夫でした?』
「あぁ…やっぱり自分で探しますって。運命の人はいるはずって!乙女な事言ってたよ。向こうの社長も娘の結婚と仕事は混同しないって。顔も大きいし、懐も深かったぜ。」
『ご迷惑おかけしました。。』
「本当だよ!見合いを断られた理由は、俺の顔が好みじゃないって、初めて言われたよ!向こうの社長の方が気を遣わせたわ!俺って顔はいい方だよな?」
『…ボソボソ…』
「ん?」
『あっ!雄大君はカッコいいって言ってました。』
「……そばにいるのか?」
『はい。横にいます。』
「…代わってくれ。」
『……嫌です。』
「いや、今、俺は癒しが必要なんだよ!癒されたいんだよ!雄大出せよ!」
『他のことならなんでもしますが、それは駄目です。あと呼び捨てもやめて下さい。』
「お前、恩を感じないのか!?」
『恩は一生かけて返していきたいくらい感じております。』
「じゃあ…」
『でもそれだけは駄目です。』
「!?」
『では明日から仕事で、黒田さんに貢献できるよう精進いたします。では。』
ツーツーツーツー
「おい?おい!?加藤!?この恩知らずー!」
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