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「………あなた。今日検査で、幸がΩだっていうことが分かったの。」
綺麗で、優しい目をした女性が少し緊張した面持ちで、少し年を取った書き机の向こうに座る男性に告げる。
「………そうか……」
男性は、女性にそっと寄り添うように不安そうに自分を伺う少年に目を一瞬だけ向けた。
そして、男性は眉をひそめ少年から目を逸らした。
その動作に、少年の大きな目に水の膜が張る。
「…お父さ「幸。席を外してくれないか。」
少年の消え入りそうな震えた声はかき消され、それ以上形を成すことはなかった。
***
少年が出ていき、女性が戻ってくるのはそう遅くはなかった。
少年の元へ来るなり、女性は泣きながらその腕で少年を抱き締める。
「あなたは、とても弱い。小柄な女性さえも突き飛ばすことは出来ないわ…」
女性はそっと体を離し、少年と目を合わせる。
「これからは、女性として生きるのよ。」
そして優しく、少年に笑いかけた。
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