アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
21にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
21
-
一谷先輩と衝撃的な出会いをしてから、1ヶ月がたった。
あれ以来、特に先輩との接点はなく穏やかに過ごしている。
でも、まだあの時のお礼を言えてないからか、胸に何か引っ掛かっているような感覚があった。
みなみには「気にしすぎだ」と、呆れられたが何故か気になる。
あの日から変わった事と言えば、一谷先輩が毎日学校に来るようになった。
今までは、家の会社の跡継ぎの先輩は、その手伝いに忙しいらしくあまり学校に来れていなかったらしい(黒田先生情報)が、何があったのかわからないけど、ほぼ毎日来ている。
今日も1日の授業が終わり、帰ろうと思い準備をしていると、部活に行ったはずのみなみが僕の所に急いだ様子でやった来た。
「幸!!」
「あれ?みなみ部活は?」
珍しく焦ったようなみなみの様子に驚きつつ、声をかける。
「あや見てない?」
「あやちゃん?見てないけど…」
みなみによると、あやちゃんは今日他の何人かのクラスメイトたちと、グラウンドの端のごみ拾い当番だったらしい。
そこに、運動部の男子たちが来てあやちゃんを呼び出して、連れていった。
他の同じごみ拾い当番だった子たちは、告白だろうと気にしなかった……
「もう部活始まる時間なのに、調理室にあやが来てないって私のところに料理部の子たちが来て…」
「え!?何で…」
「とりあえず、見てないならしょうがない。私はまだ探すから、幸は気をつけて帰って!」
「ちょっ…!わ、私もあやちゃん探すの手伝うよ!」
「でも幸を私が走らせたくないの!私らの天使に怪我なんてさせたくない!!」
「いやいや!んな理由を恥ずかしげもなく、真顔で言われても…」
「とりあえず、幸は探さなくても大丈夫だから!」
意味不明な理由であやちゃんの捜索を手伝うのを拒否られてしまった…。
いくら鈍感な僕でも、あんなに焦っているみなみを見たら、ただ事じゃないとわかる。
いつも僕を励ましてくれる友達が困っているなら、僕も役に立ちたい。
その思いだけで、僕は教室から駆け出した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
25 / 54