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18歳以上ですか?
24にしおりをはさみました!
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24
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初めて会った時、俺のせいで怪我をさせてしまった。
ごめん、の一言でも言いたかったが、話しかけるので精一杯だった。
なんて情けない……。
保健室でやっと少し話すことが出来てから、もう1ヶ月たってしまった。
その間、彼女とは1度も話せていない。
何故かは分からないが、今すぐにでも会いたい。
もう一度、ふっと軽く息を吐く。
すると、ふわっと目の前を走り抜けたものが……
「幸ちゃん……?」
俺の声は届かなかったのだろうか。
彼女は振り返ることなく走っていく。
一瞬見えた顔は、凄く必死な顔をしていた。
彼女が走っていく方向を見ると、そこには体育倉庫が。
「お、天使ってあの子のことだろ?」
「うわ……噂通り可愛いな」
「てか、体育倉庫向かってるけど大丈夫か?」
はっと、会話が耳に入って我に返る。
体育倉庫はいい噂を聞かない。
頭のどこかが、あの子を一人にしてはいけないと警報を鳴らしていた。
それを感じたとたん、俺は全力で彼女を追いかけていた。
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