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5
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『あれ?ついたのかな…、ゲッ!もう録音されてるじゃん!
…ンンッ、えーーーっと……日本、飛び立ちました!
岩ちゃんの事だから絶ッ対に最後まで何も言わないと思ったから
俺からメッセージを残します。
…って言っても特に何も無いんだよねー、
さっき会ったばっかりの人にメッセージ残すって結構難しいね
何から言おうかな…、言う事無いくらい一緒にいるからなぁ…
あ!でも飛び立つ時ぐらいは
“頑張れよ”とか“応援してる”って言ってもらいたいかなぁ…
……なんて思うけど想像したら岩ちゃんっぽくないや!
どーせ、明日にでも会えるだろうが!みたいな感覚なんでしょ?
……でもね、岩ちゃん。
明日会えないんだよ、明後日も会えない。
1週間後、2週間後、1ヶ月……会えないんだよ、
あのね岩ちゃん、俺多分飛行機の中で泣いてると思う、
行きたくない、かーちゃんのご飯食べたい、
みんなに会いたい。って、
でもそれでも俺は行かないといけないから。
俺は、親友の夢と名前を背中に背負ってるから。
日本代表とか規模がデカすぎてまだ実感無いけどね
岩ちゃんの夢、思い、名前、信頼、
俺は今背中に背負ってるから振り帰れない。
そう思うと、楽しみになってきちゃった……
……きっと、会うのは、さ、きになるけど、おれ、がんばるから……!
……ちょー絶カッコイイ相棒になって戻ってくるよ!!
……だから、その時は逃げないで、面と向かって俺の想い、聞いてくれる?
ぃわちゃん。おれ、いってきます、がんばって、くる……よっ、
だからっ、だから、…………またね!』
カチッ、小さい音が聞こえて声が途絶えた。
「…そんな顔するんだったらちゃんと伝えろよ……!岩泉…!」
「ぅ、……ぐすっ、く、そ…ぉ、いかわ……が、」
俺は崩れて及川の声を抱き締めた。
あの温もりが今はただの無機質な機会の熱になった。
あぁ、明日、会えないのか……やっと実感した
アイツ、最後の最後で鼻声になりやがって。クソが。
「岩泉、及川に留守電入れてやったら?
向こう付いたら気付くだろ」
そう言って嗚咽を漏らす俺に笑いながら花巻が言った
俺はすぐさま携帯を取り出した
「クソが!!何ダラダラダラダラ喋ってんだ!ウゼェ!!!
話まとめてから喋れや!
それと俺の名前だァ!?俺はお前なんかに名前預けた覚えねぇんだよ!
勝手に決めつけんなクソ川!!
俺はなぁ!自分の夢は自分で叶えるんだよ!
分かったか!?
それと帰って来たら先に俺の話を聞いてもらうからな!!
お前こそ逃げるんじゃねぇぞ!!
…………またな!!!!」
怒鳴り散らして切った携帯を強く握り締めた
「きょーれつだな」
「まぁ、岩泉らしいけどな」
及川、俺は自分の夢は自分で叶える。
そこは譲る気はねぇからな、覚悟しとけよ
俺だってスゲェカッケェ奴になってやるからな
そん時は逃げないでちゃんと俺のプレゼント受け取れよな。
及川が日本を旅立った日、俺と及川の友達の冬が終わった。
次の冬はきっと俺と及川は、、、
END
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