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校舎裏にてにしおりをはさみました!
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校舎裏にて
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俺が泣き止むまで、相楽は頭を撫でていた。
泣き止むというほど泣いてもいないが。
一体どういう風の吹き回しだ。
それから、俺は地面に散らばっている衣服を集めながら、
相楽に問いかけた。
「……そういやお前、なんでこんなとこ来てたんだよ。」
「あ?…………………………煙草だけど。」
「うわー……。」
普段とのキャラのギャップが強すぎて、というよりも、
こいつの隠れた悪行さに驚いている。しかし一応躊躇った
のか、煙草と言うまでの時間が異様に長かったな。
自分から聞いたことだが、ここは平静を装って
「あっそ。」
などと言ってみる。助けてくれた?恩はあるが、正直写真
を撮られたことが未だに引っ掛かっている。
「お前、さっき撮ったやつ、どうするつもりだよ。」
「さあ。どうするんでしょうねえ?」
イラ。
「……どうにでもしろよ。」
俺は切れ気味に相楽を見た。本当はそんなこと絶対にされ
たくは無いが、ここで過剰な反応をとればあいつの思うつ
ぼである。
そしてふと、そこで気づく。
やべ、Yシャツ、着れねえな…。
ここまでボロボロにされてしまえば、着ても着たとは言え
ない。生憎、最近は蒸し暑くなってきたもんで、上に着る
ジャケットは着ていない。このままでは、上半身裸にネク
タイという露出狂の出来上がりである。どうしたものか。
俺の異変に気がついたのか、相楽は眉間に皺を寄せた。
「ああ?お前Yシャツボロボロかよ。……はぁ。」
すると、相楽が立ち上がる気配がした。そして、その直後
に、頭に何かがかぶさる感覚がした。
何かと思って、手にとって見てみると、それは制服のジャ
ケットだった。ぱっ、と上を見ると、ジャケット姿からY
シャツ姿になった相楽がいるのを確認できた。
「お前なんで、」
「そのままの格好で歩いたらただの変態だろうが。いいか
らさっさと保健室行くぞ。」
こいつはウザかったり親切だったり、何なんだ。
まぁ、確かにこのままでは相楽の言う通りになってしま
うので、ここはありがたくジャケットを着させてもらうこ
とにした。
なんとなくゆるいのは、気のせい、だと思いたい。
俺は日本男児の平均的身長を保持している。だから、俺が
小さいのではなく、こいつが少しでかいだけなのだ。
そう自己完結してから、俺は相楽の後を追った。
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