アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
疑問にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
疑問
-
綺麗な月を見ながら静かにワインを飲んでいた
お互いまだ頭が混乱しているみたいで会話はない
本物の空か消えてからみんなで必死に捜したけどどこにもいなかったし、島を出た形跡もなかった
そしてやっと見つけたと思ったら別人だった
「どう思う?」
「空か?」
「うん」
「どうってな・・・・実際魔法を見せられたら信じるしかないだろ」
「だね」
「それよりも本物の空が心配でさ」
「どうすればいいんだろうね」
「それがわかればこんなに考え込んだりはしないだろ」
「そうだね」
空が消えて別の空がやって来た
でも、ここにやって来た空は心が荒んでいた
暗い瞳と乱暴な言葉使いがそれを物語る
「どうするんだよ」
「どうするって、俺達には何も出来ないよ」
「そうだけどさ、このまま黙って帰りを待つのか?もし空がこのまま・・・・」
このまま・・・・戻らなかったらどうなるの?
同じ顔でも空ではない
俺達の知っている空ではないんだ
「それよりも奏だよな」
「うん」
「間違いなく暴れるぞ・・・・と言うか捜しに行くぞ」
「でも、捜しに行ける場所ではないよね」
「だよな」
世界は広いとは言え、さすがに御伽噺の世界が存在するなんてね
「と言う事はさ」
「うん」
「あの空は、現実世界の人間じゃないと言う事だよな?」
「そうなるね」
「マジかよ・・・・・」
「とにかく、明日奏に会わせる前にもう一度話を聞こう」
「だな」
「心配なのはわかるけど、俺は凱が心配だよ」
「俺はいいんだ・・・・でも、今頃知らない世界で空が怯えていると思うと俺っ・・・・」
「大丈夫、空は強い子だから」
「だけどっ!」
「絶対連れ戻すから俺を信じて」
「楓・・・・・」
「それと」
「何だよ」
「あの空にも優しくしてあげて欲しいな」
「・・・・・・嫌だ」
「凱」
「俺、あいつ嫌い」
「でも、本当はいい子なのかも知れないでしょ?いきなり知らない世界に来たわけだしああいう態度をとるのは仕方が無いんじゃないかな」
「ん~」
「お願い」
「・・・・・・・努力はする」
「ありがとう」
「仕方ないだろ、お前のお願いだし」
「うん」
あの空はどうしてあんなに暗い瞳をしていたんだろう
全く笑わない空にしたのは誰なんだろう
「魔法の国なら裕福かと思ってたけど」
「違うみたいだね」
「だな・・・・・やっぱ、階級とかあるのかな」
「どうだろう」
今はわからない事だらけで正直戸惑っていた
この世界の人間には魔法が使えない
だから彼はある意味最強だと言っても過言ではない
俺が恐れているのはそれなんだ
誰かに知られてその力を悪用されたらこの国は終わるかも知れない
それだけは絶対阻止しなければ
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
25 / 55