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この目で見たものは現実なのか?
夢ではないはずだ、確かに見た
「奏」
「どうした空」
「用事は無いんだ、ただ奏が悩んでいるような気がして」
「悩む?俺が?」
「顔に出てるし」
「えっ」
「なーんてね」
空のいた世界が平和なのがわかるような気がした
でも、この世界の人間は空の世界の人間ではない
「空の世界の奏は・・・いや」
「ん?」
「何でも無い」
空に尋ねてどうする
自分で解決しなければ意味は無い
「奏はね、みんなの声を聞いていたかな」
「えっ?」
「平等にね・・・俺の世界でも仕事をしない人達もいたけど仕事がしたくても出来ない人達には仕事を与えていた」
「そうか」
「でもこの世界の人達は仕事が出来ないし与えてくれる人もいない」
「仕事か」
「誰がそう言うのを管理しているのかな?誰が規制をかけているのかな」
「・・・・・・・・」
そう言う事は全て大臣に任せていた
それでは駄目なのか
「じゃ、俺魔法の練習があるから行くね」
「ああ」
空が出て行ったドアを見つめ溜息をついた
「空の方がしっかりしてるね」
「楓」
「城の中だけが奏の世界ではないはずだよ」
「そうだな」
「どうするの?」
「次の議会から貴族以外の人間も出席させろ」
「了解」
「来月議会を開く」
「わかった」
「税金についてだが」
「それはもう調べてあるよ」
「そうか」
「必要以上に絞り取っているみたい」
「そいつを辞任させてお前が新しく選べ」
「俺に任せてもいいのかな?」
「お前だからだ」
「そう言われたら仕方が無いね」
「早急に動け」
「かしこまりました」
細かい事は楓に任せておけば大丈夫だろう
色々と忙しくなりそうだな
「じゃ、カラスを呼んでみろ」
「カラスね・・・えいっ!」
「ちょ!誰が鳩を呼べと言ったんだ!」
「おかしいなぁ~、えいっ!」
「うわっ!でかすぎ!!」
「だよね~」
なかなか上手く行かないな
頑張ってるんだけどな
「凱、どうしたの?すごく汚れてるけど」
「だろうな!鳩のフンまみれだし」
「あらら」
「あららじゃない!真面目にやれ」
「わかった、えいっ!」
「おまっ!!」
うわっ!
なんかすごい炎が出た
こんな魔法は知らないのに
「ごめんね?」
「普通なら焼け死んでたよ」
「でも、どうして炎が?」
「あ~、多分その卵のせいじゃないか?」
「成程!」
「と言う事は、氷とかも行けたりしてな」
「氷かぁ・・・えいっ!」
「・・・・・・・・」
「ああっ、凱が氷漬けに!えいっ!うそ、雷?えいっ!ひゃ~雪?えいっ!蜘蛛~~!」
早くしないと死んじゃう
「氷の中の凱もなかなかいいね」
「楓、助けて!」
「そうだね、このままじゃまずいね」
えっ?
指をならすだけで氷が砕けた
すごーい!!
「お前、殺す気か?」
「ないない!」
「さむっ!とりあえず着替えて来るから」
「ごめんね」
「もういいよ」
「はぁ・・・」
落ち込むな
魔法って簡単そうで難しいし
「空は全ての魔法が使えるんだね」
「俺にもよくわからないんだ」
「普通、動物使いは動物しか動かせないんだよ」
「そうなんだ」
「でも、その魔法は限られた人間にしか使えない魔法なんだ」
「限られた?」
「そう、例えば奏の場合」
「うん」
「彼は光魔法が使える」
「うんうん」
「でも動物は操れない」
「そうなんだ、楓は?」
「俺は炎魔法かな」
「へぇ、そうなんだ」
「おなじく動物は操れない」
「どうしてだろうね」
「この国の王族は最強の光魔法全てが使えるんだよ」
「俺も見た」
「でもそんな魔法にも弱点があるから」
「弱点?」
「うん、でも奏なら大丈夫だと思うけどね」
「よかった、で・・・楓の家系は炎使いなの?」
「俺の家系はドラゴンの家系なんだ」
「えっ?」
「昔はドラゴンの力を借りて戦争を繰り返していたんだけど、ドラゴンがそんな人間に嫌気がさしたみたい」
「それが正解だよ」
「それでドラゴンは人間とは関わりを持たす、姿を現す事も無くなった」
「うん」
「でも、その力を手に入れようとする人間がドラゴンを絶滅に追い込んでいる」
「どうしてそんなにまでして・・・」
「人間はバカだからさ、一つの国では満足できないんでしょ?」
「本当に愚かだね」
「だから俺も人間とは関わりを持ちたくなかった」
「えっ?」
「でも、奏と出会ってしまった」
「出会った?」
「うん・・・あれは俺が狩りをしていた時、仕掛けてあった罠にね」
「楓なのに?」
「昔の俺は今ほど用心深くなかったしね」
「そうなんだ」
「その罠を外してくれたのが奏」
「それで?」
「俺の剣を見て言われたんだ、お前は俺の傍に居なければいけないってね」
「強引だね」
「でしょ?もちろん断ったけど」
「うん」
「2回目の再会は敵が攻め込んできた時だったかな」
「敵が?」
「俺は森にいて、その森を焼かれたんだ」
「酷い」
「その時の俺は今ほど魔法も強くなったし、炎に炎では対抗出来ない」
「それで?」
「突然奏が現れて俺を助けてくれた」
「どうして奏が森に?」
「俺もそれが気になって尋ねたよ」
「うん」
「剣が導いてくれたと言っていたかな」
「剣が」
「そう、もともと俺の家系はドラゴンの力で王族を護る家系だったんだ」
「その剣?」
「うん、この剣と奏の剣は同時に作られた物なんだ・・・世界にたった2つ」
「すごいね」
「俺を見つける為に奏の剣が俺の剣と共鳴し合ったらしい」
「なんだかすごい話だね」
「だから俺は奏について行こうと思った、多少問題ありだけどね」
「あはは・・・」
「俺の運命がそういう運命ならば受け入れるしかないと思った」
「うん」
「嫌な奴だったらすぐに消えようと思っていたけど、なかなか面白い奴だと思ったから今もこうしてここにいるんだ」
「すごいね、二人の出会いは決められていたんだね」
「かもね」
何だかすごい話だな
きっと昔から同じように剣同士が引き寄せ合っていたのかな
なのに戦争は終わらないなんて悲しい世界だな
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