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今日は議会の日
上手くいってくれればいいんだけど
「奏、わかってるよね?」
「ああ、大丈夫だ」
「ならいいけど」
そして議会は始まった
でもやはり貴族たちの反発が多く、まともに意見も言えないアレン
「この議会にふさわしくない奴もいるようですが」
「それを決めるのは俺だ、話を聞いていればバカらしい話だらけだ」
「バカらしいとは?」
「まず、税金の行方を教えてもらおうか?」
「それは・・・」
「この国には奴隷制度など無いはずだが貴族が奴隷を働かせているのは?」
「仕事を与えてやったんです」
「上流階級の意見などどうでもいい、お前何か言いたい事があるのなら言ってみろ」
奏がアレンの意見を聞いた
「俺達は貴族や王族のせいでろくな仕事も食事も出来ない、金持ちはいい服を着てご馳走を食べて若い体を安い値段で買い取る、俺達は人間なんだ光も届かない世界に閉じ込めたのはお前達だ」
「成程、税金だけでは意味が無いと?」
「もちろんだ、仕事が無ければ飢え死にだ」
「仕事か・・・」
「国王、こいつの話などまともに聞かないで下さい!どうせろくな仕事など出来ない奴らです」
「だがその仕事を奪ったのは誰だ?」
「・・・・・・・・・・」
「話はわかった、俺は貴族の味方では無い・・・この国の為にはもう少し王族の事を理解してもらいだい」
「理解?」
「国中で反発し合っていても仕方が無いだろ?戦争はまだ続いている、だから国の為に力を貸して欲しい」
「何をしてくれると言うんだ」
「何をして欲しい?」
「太陽を・・・あの暗闇に光が欲しい」
「わかった、光を取り戻したら少しは信じてもらえるのか?」
「そうだな・・・でも無理だ、国王の魔法でも無理に違いない」
「話はわかった、本日より王族と貴族の人間は自分より身分の低い人間を奴隷にしたら重罰に処する、税金も同じだ、不当な理由で税金やその他金品を奪った奴らは死罪とする」
「そんな!」
「それ以上何が欲しいんだ?宝飾品か?ドレスか?必要ないだろ、むしろ分け与えたらどうだ」
「そんな事をしたら王族も崩壊しますよ」
「崩壊などさせない、俺に不満があるのなら国を出て行け」
「・・・・・・・・」
「では次の議会は追って知らせる」
思った通り、貴族たちは不満顔だ
敵が減って新しい敵がまた増えたらしい
でも、貴族達は使えない
何かあったら逃げ出すような奴らばかりだ
この国を治めるには魔法の強さが絶対条件
奏以上の魔法使いはいないはず
「こんな感じか?」
「上出来」
「疲れたな」
「だろうね」
「と言うか、俺でも無理な魔法があるのか?」
「世の中は広いからね、あの黒い空を見たでしょ?」
「じゃ、誰が?」
「いるじゃない、一人だけ」
「一人だけ?・・・・・まさか」
「そのまさかだね」
「しかし、空を危険な目には」
「その為に俺達がいる」
「・・・・・・・」
「奏から話す?それとも俺が?」
「俺が話すよ」
「わかった、じゃ今日はゆっくり休んで」
「ああ」
疲れたな
しかし貴族達の身勝手な意見には飽きれた
聞いていてイラついた
でも、奏ならきっと上手くやるだろう
「お疲れ、どうだった?」
「待っててくれたの?」
「当たり前だろ?」
「そっか、とりあえず」
「とりあえずなんだ?」
「抱きしめさせて」
「はい?」
凱を抱きしめると安心する
凱の前では本当の自分に戻れる
「お疲れ気味だな」
「体より神経がね」
「と言うか、そろそろ城を抜け出すのはやめろよ?心配だしさ」
「知ってたの?」
「まぁな・・・でもお前には考えがあると思っていたから何も言わなかっただけだ」
「さすが」
「で、上手く行きそうなのか?」
「空次第かな」
「空?」
「空しか解決出来ない問題がね」
「俺は賛成できないな、何をさせるつもりだ?」
「それはね」
凱にも話をした
隠す事でもないしね
「お前達、正気か?」
「うん」
「無理に決まってるだろ!空は殺されかけたんだぞ、そんな奴らの為に賭けのような事は賛成できない」
「確かに賭けかもね」
「失敗したらどうする」
「だから俺達がいるんでしょ?」
「・・・・・・・・・」
「まずは国を変えて行かないと戦争にも勝てない」
「そうだけど、空が断ったら?」
「次の手を考えるしかないね」
「あるのか?」
「無い」
「はぁ・・・」
「そんな顔しないで、少し休ませて」
「わかった、ベッドで寝ろ」
「凱も」
「ったく」
怒りながらも一緒に寝てくれる凱
だから俺は頑張れる
「フルートを」
「うん」
優しいフルートの音色は疲れた体を癒してくれた
七色の虹がかかる部屋
ずっとこのまま幸せが続けばいい
その為には空が重要なカギなんだ
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