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18歳以上ですか?
副会長にしおりをはさみました!
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副会長
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「ヒロの想像とは180°違うよ。杉原くんは」
「……あっそ。まぁ僕、処女にしか興味ないし。勝手に誰かのお下がりのケツ追っかけてなよ。あぁ、衛のお下がりかな」
「……………」
「……………」
どうやら今日の彼は気が立ってるようで、憎まれ口しか出てこない。彼の下品な皮肉に都賀屋も首藤もコノヤロウと思ってはいるし、凡そ杉原は処女であるが、杉原の潔白を証言したところでそれは樫本の興味を引くだけであるしぐっと堪え口を噤んだ。
それはそうと、本当に杉原を知らないんだなと改めて都賀屋は思った。杉原を知ればさっきの、彼をまるで淫乱だとでも言うような罵倒は出てこないだろう。
「ヒロ、イライラぶつけてくんなよ」
溜息をつきながら首藤がボヤき、それに対して樫本は舌打ちをした。
「どっかにマトモな処女はいないのか。まるで僕がレイプしたみたいに言いやがって」
彼はここ最近体を繋げた相手との間にトラブルを抱えていた。処女は処女だったらしいのだが、どうやら彼氏持ちだったようで後々発生したカップル間での諍いに樫本も組み込まれてしまったのだ。
その事情を首藤や都賀屋は聞かされており、自業自得だとは思いつつも近頃の樫本のイライラを見逃しているのだ。
「お前の親衛隊は動かないのか?」
「事を大きくしたらそれだけ面倒になるでしょ。そこら辺は考えてTPO選んでる」
「…謝ればいい」
「は?なに言ってんの。悪いのはどう考えても嘘ついてたあのチビでしょ。なんで僕が謝るの?生憎都賀屋と違って僕にはプライドがあるからね。それに根本は僕が謝らないことじゃない。結局は痴話喧嘩に僕が立ち会ってるだけなの。あいつらが言い合ってるのを僕が聞いて、たまに火の粉が散ってきて僕が会話に入らなきゃいけなくなってってパターンなんだよもうマンネリ化しちゃってる」
誰もが思っただろう。自己中心的な彼がなぜそんな面倒臭いことにつきあっているのかと。今は性格が悪く唯我独尊な樫本だが、普段は優しげな笑顔をテンプレートにしそれこそ王子様のように穏やかに語りかけるキャラクターでその地位を手に入れているため、このようなくだらないいざこざを放棄することができないのである。
「誰か優秀な仲介人でも引っ張ってきて僕の気持ち代弁してほしいよ」
はぁ、とため息を吐いて眼鏡を外し目と目の間を揉む。
するとその時、生徒会室の重厚な扉がノックされた。
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