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誤魔化した熱にしおりをはさみました!
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誤魔化した熱
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医者×患者
(発熱)
目が覚めると身体が重かった
昨日、無理した覚えもないのに
何に反応したのか
何を訴えようとしているのか
はぁと溜息を吐いて
上体を起こせば
その重さも実感として現れて
前に傾きそうな頭を
手で支える
触れた額は熱くて
熱があることは決定的
また、貴方に迷惑かけてしまうな
とか思うと嫌になる
検温に来た看護婦さんから受け取った体温計
体温が恐ろしい数値を示す前に
看護婦さんの目を盗んで引き抜いた
それと同時にぴぴぴと音を立てて
血圧と心拍数は高いのに体温は普通で
看護婦さんは不思議ね、と
頭を傾げてた
昨日、遅くまで本を読んだから
少し寝不足なのかも、だなんて嘘を吐けば
ちゃんと寝なきゃダメじゃない、なんて少し怒られた
はは、と笑えば
ごめんなさいって謝って
少し眠る
仮眠のつもりが本格的に眠っていたみたいで
髪を撫でられる感覚に目が覚めた
「熱、あるね……」
ベッドの縁に座る貴方が言う
「熱なんてないよ。」
看護婦さんが残した朝の記録を貴方に見せて言うと
「また、誤魔化したの??」
なんて
何でバレてるんだろう
「誤魔化してなんか、ない、よ??」
ほら、元気だよ
そう言うように起き上がって
動けることをアピール
「はいはい。」
精一杯の誤魔化しを貴方は受け流すように
僕に深呼吸を促す
貴方の息で温められた聴診器が僕の胸に当てられる
吸って、吐いて……
言葉を消して……
「はい。いいよ。」
と貴方は聴診器を耳から離して
「やっぱりね……」なんて
はぁと溜息
ぽんぽんと頭を撫でて
「キツイのは君なんだよ??」
そんなこと言われたって
でも、元気じゃないと困るのは貴方じゃない
僕がどうなったか、とか
何度も僕の元を訪れて、さ
「元気、だもん。」
ぷくっと頬を膨らませて
貴方と目をあわせないように下を向く
僕は貴方を困らせたくないだけ、なのに
どうして伝わらないんだろう
どうして僕の身体は言うことを聞かないんだろう
無理して起きあげた身体は
ふらりと傾いて貴方の胸におさまった
「ほら、ね……」
貴方は困ったように笑って言う
「氷枕、薬持ってくるからちゃんと寝とくんだよ。」
僕をベッドに横にすると
それだけ残して
ぱたぱたと足音を立ててナースステーションに向かう
あーあ、また手間かけさせちゃった
氷枕を頭の下に
薬を左腕に繋がれた点滴に追加される
「また、怠くなったらちゃんと呼ぶんだよ。」
そう頭を撫でて
貴方は病室を去っていく
怠くなったって
貴方を呼ぶことなんてないんだけど、さ
それなのに
貴方ってエスパーか何かなのか
少し変だな、って思った時にくるんだもん
「呼んで、って言ったじゃん。」
なんて
しづらい息をしながら胸を抑える僕にいう
だって、大丈夫って思ったんだもん
だって、少ししたら大丈夫なんだもん
気が付いたら涙が流れて
頬を伝った
ごめんなさい、貴方に迷惑をかけて
「泣かないで、君が辛いと僕も辛いんだから。」
そう言って貴方が僕の涙を唇で掬いとる
辞めて
優しくしないで触れないで
その優しさが僕だけにくれたものだって誤解しちゃうから
貴方を僕だけのものにしたい、とか欲を持ってしまう、から
☆以下、挨拶などなので…作品と無関係です。読み飛ばし可です。
昨年はいいね、しおり、お気に入り、コメントとありがとうございました。
皆さんのおかげですごく幸せな年を過ごしました架心です。皆さんのいいね、しおり、お気に入り、コメントが励みになっています。
まだ勉強に振り回されている毎日なので不定期更新しかできないのですが…ふらりと思い立った時に書いたりするので、その時には構っていただけると嬉しいです。
まだまだ駄作ばかりですが…少しでも皆さんがいいなって思える作品を作れるよう頑張っていきますので、今年もよろしくお願いします(^-^)
さて、今回の作品は医者×患者とリクエストをいただきましたので…リクエストありがとうございました♡♡
新年そうそうなので少し症状は抑え目です、が…
こんなので大丈夫ですか、ね??
こんな症状がよかったって場合は医者×患者は私も好きなのでまた書かせていただきますね♡
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