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呼び出しにしおりをはさみました!
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呼び出し
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昨日の事が嘘のようにリサ達は旅の話をねだった。昨日は話せなかったからってのもあるんだろうな。
「んじゃあ、今日は海の国の話な」
「うみ?うみってあのうみ?」
「そ。見た事あるのか?」
「あるよ!でも、本の中だけなんだけど……」
ラーサが少しだけしゅんとして答えたので頭を撫でてから話し始めた。海がどんなものかって事を前置きしてから、海でしか見られないものなど。
「凄いね!うみ、かぁ……」
「あ、でも海にはバケモノも住んでるからな。タコっていう足が八本もある生き物とか、イカっていうのは足が十本もあるんだぞ」
「うそだー!」
「ホントだって」
無邪気に質問攻めにしてくる子供達の相手をしながら、次は何処の話をしようか考え始めている。海の話をしたから、次は大河の国の話か?
「トーマ、トーマ……あれ」
「なんだ?」
右と左。西と東からのお出迎えって訳か。面倒だな。
「はいはいソコマデー。格好からするに、西の兵士と東の兵士だな?用件は何だ」
「我が国の王より、仰せつかっております」
呼び出し状を読み上げようとする奴を制しておく。聞いていたら寝て日が暮れそうだ。
「そーいうのは長いから辞めてくれ。あとお前等の国は呼び出す時に剣だの槍だの携えてくるのか?」
「万が一の抵抗に備えて、ですが」
「お前等両国の王に伝えておけ。武装した兵士に言われて動くほど旅人は暇じゃない。用があるなら直接来いとな」
手を振って追い払うと、盛大に舌打ちされたが踵を返してくれた。
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