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釣りにしおりをはさみました!
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釣り
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「よーカヤさん、なんか釣れてる?」
「トーマか。さっき2匹釣れたぞ」
「お。じゃあ横いい?今日の夕飯調達」
「今日は仕事じゃないのか」
「明日から。ほら、東と西の王達が呼び出したでしょ。どちらかが先に来るまで下手に動けないから」
カヤさんの隣で釣り糸を垂らす。この時期の川魚は脂が乗ってて旨い。
「昨日は子供らが世話になったな」
「いいよ。旅人の話が聞きたいのは何処でも一緒みたいだけどな」
「仕事先でねだられたか」
「アタリ。断ったけど」
ぱしゃん、と水面が波打って、釣り糸が揺れる。
「旅人は人気だなぁ」
「やっぱ、珍しいんじゃねぇの」
「そうだな。この国は閉鎖的ではないが、外から来るのは見知った商人達だけだからな」
聞けば、定期的に国が契約している商人達が来るらしい。旅人は契約も無いから来た時は相当な運の持ち主だとか言われてるそうな。
「でもさ、旅人って何処行っても人気とは限らないぜ?昔行った国は他の国からの刺客だとか思われたらしくさっさと逃げたけど」
「そんな事もあるのか。この国は旅人は幸福の象徴だからなぁ」
「国によって異なるさ……あ、釣れた」
「お。大物だな」
「一人で食うから一匹でいいや。カヤさんは」
「俺はもう少し釣っていくよ」
カヤさんと別れ、片手に魚をぶら下げて小屋に向かった。
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