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卒業式を迎えにしおりをはさみました!
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卒業式を迎え
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「おいサガラ泣くなよ!顔すごいことになっているぞ」
「だっだってよ…リョウも泣いてんじゃねえか!」
「泣いてる、サガラ可愛い」
「茶化すなよ!ユツキはなんで泣かねえんだ!泣け!」
「…帰ったらなく」
卒業式が無事終わり、卒業生たちで埋め尽くされた運動場では桜が散ることはなかった。時期的にも気候的にも今年は、桜で彩られた卒業式は行えなかった。
しかし天気には恵まれた。眩しい青と太陽がさんさんと降り注ぐ。祝福の明るさを振りまいてくれる。
リョウは抱き合って泣くサガラをなでているユツキから目をそらし、青い空を見あげた。
先ほどからシュウの姿は見当たらないが、彼は彼でうまくやっているだろう。
「卒業式サボって迎えに行くってどういうことなんだ…あいつらしいな」
今頃彼らは数年の穴を埋めるように再開の余韻を楽しんでいるのだろうか。
純情男子に祝あれ。
目を細めてにこりと笑ったリョウの呟きは風に舞って消えていく。
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