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幼馴染みにしおりをはさみました!
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幼馴染み
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いつも、側にいてくれた。
あいつにだけは、知られたくない。
「あれー?いないのかなぁ…………………隼斗さんの車、あるけどな………………」
玄関を前に、涼は母親に手渡された紙袋を持って立ち竦む。
辺りはもう暗い。
悠斗の家の外灯に照らされた涼は、お風呂上がりなのか、やや濡れた髪を揺らし、どうしたものかと首を捻る。
七分の白いTシャツに、少しダメージがかったデニム。
長年サッカーで鍛えられた身体と、爽やかなイケメンは、それだけで立っていても絵になった。
「近所にメシでも行ったとか……………」
兄弟二人だけの生活。
お節介かと思うが、人のいい涼は、何かと気にかけている。
ガチャ………………………
そんな、涼が土産片手にブツブツ言っていると、玄関のドアが少しだけ開いた。
「お?悠斗………………っ!なんだよ、いたのか?」
僅かに開いた隙間から、チラッと見せる、悠斗の顔。
涼は笑顔で、大事な幼馴染みを迎えた。
「あ…………………うん、ごめん……………ちょっと、頭痛かったから寝てたわ…………………」
爽やかな涼とは違い、伏し目がちな悠斗の姿。
なんとか隼斗の手を振り切り、悠斗は慌てて服装を整えると、涼の所へ顔を出したのだ。
「え?大丈夫か?………………熱、ない?」
表情を曇らせる悠斗に、涼は躊躇いもなく手を伸ばす。
「りょ………………っ」
悠斗の顔に手を添え、涼はおでこ同士をくっつけた。
「………………お前に何かあったら、心配じゃん」
それは、まるでキスでもするかのような、距離。
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