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嫉妬にしおりをはさみました!
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嫉妬
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殺したいほど、憎い。
「…………………は、隼……………」
「隼斗さん…………………!」
震える悠斗の声に、被さる涼の明るさ。
隼斗の声がした瞬間、悠斗は心臓が止まるかと思った。
変な所を見られてしまった。
自分に触れる涼を、隼斗はどう思っただろうか?
涼だけは、巻き込みたくない。
そんな不安が、身体中に嫌な汗をかかせる。
「……………………久し振り、涼」
リビングの方から廊下に顔を出し、隼斗は笑顔で涼を見る。
笑顔で。
綺麗な顔の隼斗は、外面だけはいい。
だからモテるのだが、その外面が、悠斗には本当に外面だけだと知っているだけに、見ていると吐き気がしてくる。
騙されている連中が、馬鹿にしか見えない。
「隼斗さん~、今日も格好いいっすね♪ホント、スカウトされまくるの、わかります」
地元でも有名な、隼斗。
小学生の頃から頭が良く、見た目も最高な隼斗は、後輩達の憧れの的。
涼もまた、久々に見る格好良い先輩に、気持ち声が高くなっている気がした。
「よく言うよ、涼。お前も、見ないうちにイケメンへ急成長だな……………………悠斗が見とれる筈だわ」
隼斗はわざとらしく悠斗へ視線を送り、思ってもいない言葉で涼を誉めた。
内心は、涼が邪魔で仕方がない。
折角、悠斗の身体を楽しんでいたのに、何しに来たんだ…………………………そう思ってる。
「隼斗………………っ………」
その真意を読み取れる悠斗は、睨むように隼斗へ目を向けた。
頼むから、来るな。
それだけを、ただひたすら願う。
「えぇ…………………悠斗、見とれてくれてました?だったら………………スゲー嬉しいけど」
「……………………は!?」
自分の心配をよそに、意外な反応を示す涼を、悠斗は驚いて振り返る。
「だって、俺……………お前の事、好きだし」
それ、今言う台詞!?
あまりにもサラリと口にした、涼の衝撃発言。
男が、男を好きだと言う。
告白って、こんなもんだろうか………………!
「りょ………………涼、お前……………」
それは、LOVEじゃなくて、LIKEだよな?
呆気にとられて、言葉が出ない、悠斗。
「気付かなかった?…………………俺な、ずっと悠斗が好きだったんだよ?好きアピール、メチャメチャしてたのになぁ~。……………………お前が嫌じゃなかったら、付き合いたいくらい!」
全く悪びれる事のない涼の爽やかさが、事を肯定させる。
確かに、やたらめったら、側にいた。
「…………………………マ、マジ……………」
「マジ………………!」
戸惑う悠斗の視線を奪う、涼の眩しい笑顔。
眩しい。
自分には眩し過ぎる涼に、悠斗の心は高鳴りを強める。
「……………………へぇ、スゴいじゃん」
ただ一人、隼斗の胸中は、激しい苛立ちが恐ろしい勢いで駆け巡っていた。
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