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情報と焦燥2 SIDE Right
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尋ねた途端に工藤さんの表情が目にみえて曇る。
まさか。
死んだとか。
手遅れだったとか。
俺の拳が汗に濡れてじっとりしてくる。
いなくなったときに、もっと早くなんとかしとけば良かった。
後の祭りってわけか。
工藤さんは俺の肩をぽんとたたいた。
｢俺の彼氏ンちに監禁されてんだけどな。もし、オマエらが奪取したら、彼氏に迷惑かかんだよ｣
それ以上には情報を与えられないとばかりに工藤さんは首を横に振った。
彼氏とか、ちょっとビックリしたが、まあ、そういうこともあるだろう。
｢生きてはいるんっすね？｣
なんとかして、どうにかして取り戻さないとならねー。
｢ああ、松川の仲間が奪ったもんの肩代わりで金を返すとかで身売りしてる｣
｢いくらだか、わかりますか。話つけて、俺が金を出します｣
逃げたり奪取したりしても、結局は逃げきれないし、その後まともに生活なんかできない。
いくらだろうか。
足りなければ借金しても出さないとならない。
｢素直に金払ったら、カモにされるぞ。簡単にそんなこと口にするなよ｣
工藤さんは馬鹿にしたように俺を見返した。
じゃあどうすりゃいい。
１千万でも2千万でも、俺はハルカのためなら惜しくはない。
｢んー、じゃあ、俺たちが事務所乗り込もうかな。流石に高校生が乗り込んだら卑怯なことはできないだろ？｣
士龍がゆっくりとした口調で工藤さんに問いかける。
｢ヤクザ舐めるなよ。ガキ｣
｢ナメてはいないすよ。ただ、ちゃんと話をつけにいくってだけで。工藤さん、事務所の場所を教えてください。お金の話はあるかもしれないから、峰ちんも覚悟はしといて｣
工藤さんを見据えて士龍は小さく笑う。
不敵な態度はいつだって変わらない。
ハルカが好きだったってことも含め、そういうところが俺は気にくわなかった。
｢俺はこれ以上かかわらないからな。そこの地域をシメてる若頭には関わりたくねーんだ。後輩のためだから、仕方なく情報をくれてやってるだけだ｣
工藤さんは意外にいいやつなのかもしれない。
忠告はちゃんと聞いておく。
金の話は最後にしよう。
｢若頭か、スゲー強そうだな｣
｢サクラトラノブ、うちの組の武闘派Ｎｏ．1だ｣
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