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解放と抵抗にしおりをはさみました!
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解放と抵抗
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全てを外され着てきた時の服を着せられる。
2ヶ月にも及ぶ調教をされてきて、いきなり解放とか言われてもわけわからない。
「水上との契約はどうするんだ?」
「トラさんが違約金とか諸々面倒みるって話だし、わさわざ逆らいたくはないわ」
まだ頭が整理できていないが、拘束をはずされても股間はイキっている。
我慢しすぎたか。
「大体、誰が迎えにきたっていうんだ。俺には帰る場所なんかねーし」
「峰、って名乗ってるそうよ。あなたの兄弟なんじゃないの?」
「・・・・・・みね、って・・・・・・いったのか・・・・・・」
ライがきたというのか。あいつの忠告も聞かずに裏の世界に足を突っ込んだ俺を迎えにきたというのか。
「兄弟がいるんじゃないの。誰もいないなんて感傷ね。まあ、男に抱かれる体にしちゃったけど、困ったら遊びにきてもいいわよ」
串崎は面白がるように俺を見下ろす。
いまさら、ライにどんな顔をして会えばいいんだ。
こんな、姿を晒して、側になんかいれない。
俺は冷や汗が額に浮かんで落ちるのを感じる。
いつだって、俺はライの大将だったし、ライは俺に従う特攻隊長だった。そういう間柄だ。弱味なんてみせられないのに。
「こんな、俺じゃ、会えない。会いたくねェ」
「って言われてもね。あら、迎えに来ちゃったみたいよ。ちゃんと引渡しておけってトラさんに頼まれちゃったし。逃げないでよ」
串崎は俺の様子を見ると、カチャリと手錠をかけて近くの椅子の背に引っ掛けられる。
串崎はフウテン野郎の言いなりだし、逃げるのもままならないし。
どうすりゃいいんだよ。
奥歯をグッと噛み締めて、天井を見上げる。万事休すだな。
「・・・・・・ハル、カ!?ハルカ!?」
部屋に入ってきたのは、何ヶ月ぶりかに聞くライの切羽詰まったような声。
頬が少しこけて、やつれたようなそんな風情がある。
いつだって不敵にみえていた人を小馬鹿にした調子もない。
「ライ・・・・・・なんで、だ・・・・・・」
見ないで欲しい。ライには強い俺でいたい。だから、俺はライの家を出たのに。
「帰ろう。ハルカ。話はついたからさ」
ライは近寄ってきて、椅子に掛かった手錠を外して俺の腕をとる。
帰るって、どこにだよ。
帰る場所なんて、どこにもないだろ。俺には。
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