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個人レッスンを始めましょう。4にしおりをはさみました!
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個人レッスンを始めましょう。4
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暫くすると、翔さんは何個かの卵を持って帰ってきた。
あんなことがあったあとなのに、顔色一つ変えずに戻ってくる。
俺の頬の赤みはちゃんと取れているだろうか。
そんな俺の心配はよそに、淡々と続ける。
「はい。これ、新しいの持ってきたから」
そう言って翔さんは俺の手に卵を乗せた。
「ありがとうございます」
「僕がやってみるから、近くに寄って。ちょっと見てて。こういうのは数やらないと上手くなんないけど」
翔さんは片手に二つの卵を掴み、カッと殻にヒビを入た。
そして、一気にボールに割りいれる。
流れるような動作に、俺は目を奪われた。
少し下を向いた横顔、真剣な目つき。
割る時に、少しだけ腕に力が入り、動く筋肉。
見惚れてしまうではないか。
かっこいい人って何やっても絵になるんだなぁと余計なことまで考えてしまう。
それに気がついたのか、翔さんは卵を持ってない方の手で俺の頭をグイッと掴み、自分の手元に視線を向ける。
「ちゃんと見て」
「いい?最初は一つづつで、全然いいから。兎に角丁寧に、速く、正確に」
「はいっ!」
「お客様に出して、食べて頂くものだから、絶対にミスは許されない。『入れちゃいました』じゃ済まないからね」
「分かりました!!」
「じゃあ、やってみて」
俺は渡された卵にコンコンっとして、ヒビを入れる。
さぁ、リベンジだ。
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