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あいつの手の中で小さな生き物はおびえたように甲羅に首をすくめた。
あいつのことだ、どこで亀を手に入れたのか想像もつかない。きっとペットショップではないのは確かだ。
「どこで手に入れたの、そいつ」
「緑公園の池」
「どうやって」
「もちろん、池にはいって」
あいつは、平然として答えた。さも当たり前であるかのように。
今は9月とはいえ気温も低くなり涼しくなってきた。水温といったらもっと低いだろう。
それに、市営の緑公園となれば、池にはいるのは不法侵入で禁止されてうはずだ。
「おまえ、補導されなかったの?」
「みどりも知ってるだろ、あそこの警備員はいつもコーヒーを飲んでぐうぐう昼寝してる。それに今日は平日だし誰もいなかったよ」
あいつは、にこりと目をほそめて笑った。
俺は小さくため息を落とし、首を振った。
いつものことだ。だから大丈夫。
嬉しそうにカメを眺めるあいつ。
「きいろ、お前池臭いよ。ちゃんと風呂はいった?」
おれの同居人、きいろはとても変なやつだった。
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