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きいろが風呂にはいっている間、茶色の大きな脚長テーブルの上を呑気に歩く亀を見つめる。
きいろは、俺にこのカメを見せたいがために風呂に入るのを忘れていたらしい。
あいつの服には、至る所に藻がついていた。先週買ったばかりのお気に入りといっていたのを思い出して馬鹿だなと小さく笑った。あした、きちんと洗濯しておいてやろう。
俺の同居人は、高校からの長い付き合いだ。
あいつの名前は、月島きいろ。
自分の名前が、みどりなだけに、はじめて出会ったときはびっくりした。
「きいろ」という名前は非常に珍しい。
きいろは、美しかった。男でありながら、美しいというのはなんだか違和感があるように思うかもしれないが、その表現はぴったりと当てはまった。
誰がみても美しい容姿だった。陶器のような、血管が透ける肌の色をしている。小さな顔にすっとした切れ長の大きな目があり、瞳は薄茶色できらきらしていた。鼻は小鼻がしゅっとして、筋が通って綺麗だ。そして、桜の花びらのような小さな薄いくちびる。
髪は、日に当たるときらきらと透ける薄茶色。身体の線は細く、男なのにどこか色っぽく、中性的な美しさがあった。
日本人離れしたきいろは、どこかの国の西洋の血が入っていると自ら言っていた。人は、きいろをみてお人形のよう、天使のようだと称す。だから、いつだって、自然ときいろの美しさに人が集まった。
集まった人間はその容姿から人間らしくないと口にする。そんな人形のような彼に、静かに離れて行くことも多々あった。
けれど、俺はきいろは1番人間らしいと思う。なぜなら、きいろはきっといつも孤独で愛を求めているから。狂うほど愛されたいと思っているから。
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