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金曜日の夜は、あきなちゃーん
土曜日の朝方は田代さん
るんるんと足取り軽く歩く。
きいろは、見慣れたマンションのインターホンを鳴らした。オーロックの扉を開けるなり、あきなちゃんが抱きついてきた。
女の子特有の甘い柔らかい匂いがした。
きいろは、母親を知らなかった。きっと記憶のどこかに存在するのだろう、けれど、母の温もりや匂いは思い出されることはなかった。
あきなの赤いルージュの唇が自分のそれと合わさった。それを優しく受け入れる。
母はどのような色がするのだろう。
あきなから漏れる甘い吐息にそのような考えはもやもやと消えた。
母親の記憶など、自分にはきっといらない。
必要なのは、汚れた自分を塗り替えるための新たな色なのだ。
きいろは寂しさを埋めるために行為をしているわけではないと思っている。
いつだって、自分は空っぽなのだから、埋める必要などないのだ。絵の具のように塗り替えてしまえば大丈夫。けれど、塗っても塗っても色が濁っていくように自分が綺麗になることはないことはどこかでわかっていた。
「きいろ、なにも考えられないようにして」
あきなは、激しくきいろを求めた。
きいろも、自らの舌を差し込み、それに絡める。
あきなは、プライドが非常に高い。そんな自信がきいろも欲しくて仕方がなかった。
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