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red-9にしおりをはさみました!
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red-9
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きいろは、赤江先生のアトリエが地下にあるそうで、階段で降りて行った。
あのあと、だいぶ飲んだので、きいろは珍しく顔を赤らめ、目はとろんとし、ふらふらと酔っていた。変に色気がある。きっと赤江先生だし、俺が面倒をみなくても大丈夫だろうと、みどりは、任せた。
同様に、駿さんはヘロヘロになるまでに出来上がっていた。リビングのソファで寝そべってイビキをかいて寝ている。
志穂子さんは、困ったように起きない駿さんにブランケットをかけていた。
志穂子さんは、少し残った料理を取り置きし、空いた皿の片付けをはじめた。俺が立ち上がり、手伝おうとすると、困ったように笑った。
「お客様に片付けなんてさせられないわ。座って、お酒を楽しんでくださいな」
「いえいえ、手伝います。今日は美味しい料理を振舞ってくださったし、些細なお礼だと思って気にしないでください」
「ありがとう。みどりくんは、出来た男の子ね。きいろくんもよく食べるし独特で面白いわ」
「きいろ、食べすぎちゃってごめんなさい。弟さんの分大丈夫ですか?」
空になった皿の数々を見つめる。
「心配することないわ。遅くなったあの子が悪いし、ご飯炊いてるから大丈夫よ」
そう言って、志穂子さんは笑った。
「仲の良い家族でいいですね。絵にかいたみたいに素敵です」
「ふふふ、駿はのんびりしてるし、弟のほうが少し荒れた時期があったけど、仲良いわ。けど、みどりくんの家族も素敵よ」
俺の家族を知らないのになぜこんなことを言うのかと不思議そうな顔をした俺に、いたずらっこのように彼女は笑った。
「きいろくんよ!あなた、本当に彼のこと大好きなのね。見ていて微笑ましかったわ」
なんだか、急に恥ずかしくなって、俺は照れ笑いを浮かべるしかなかった。
すると、リビングの扉があいた音がした。
「ただいま。遅くなってごめん。調書書いてたら遅くなった。」
振り返ると、180ぐらいの背丈だろうか、体つきがよい、グレーのスーツを着た爽やかそうな男が立っていた。
急いで来たのだろう、少し顔に汗をかいていた。俺の存在に気づくと、愛想のよさそうな笑みを浮かべて、頭を下げられた。
「はじめまして。赤江一星です。」
この男の出会いが全てを変えることなどこの時の俺は知る由もなかった。
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