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車が到着すると、みどりは見慣れた家に安心した。
家につくと、母が出迎えてきた。
母さんと父さんには、きいろに父親が出所したことに触れないでと頼んでいたから大丈夫だ。
「あら!きいろちゃん!!」
きいろを飛びつくかのように抱きしめる。きいろは、嬉しそうにほほえみながら
「みどりママ、ただいま」
と言った。
「可愛いわ!さすが私のきいろちゃん!無愛想なみどりも見習いなさい!また、痩せたんじゃないの?今日はたくさんご飯作ったから食べてね」
母の昔ながらのとまらぬ弾丸のようなしゃべりにきいろは俺に困ったように笑いかけた。
「母さん、きいろ困ってる。離してやって」
「まぁ、みどり。きいろちゃんが取られて悲しいのね!でもあげないわ!久々のきいろちゃんを堪能しなきゃ」
母はきいろを一通り愛で、居間に通してくれた。
「そういえば、優香は?」
俺は帰ってきてまだ目にしていない妹を尋ねた。
生意気でよく喧嘩をふっかけてくる妹は、反抗期なのだろうか。
「優香ね、晩御飯には帰ってくるわよ。部活で遅いの最近。きいろちゃんに会うの楽しみにしてたわぁ」
母は、そういうと晩御飯の準備をすると台所にもどった。
父は、きいろからもらった紙袋をあけていた。そこには、コーヒーメーカーがはいっていた。
「きいろ、いつ買ったのそれ。重くなかったの?」
俺はびっくりして問うた。
「この前買ったんだ。ゆうかちゃんには、洋菓子買ってきたんで」
「すごい!これは、あの有名なメーカーじゃないか!ありがとう!きいろ!母さんみてくれ、これ」
「親父すごいはしゃぎようだな」
俺は呆れたようにいう。
きいろは、俺の家族のまえでは、いつものように振舞っていた。けど、どこか空元気だ。
「みどりの家族は素敵だな」
そう言うきいろの目は、静かだった。
俺は胸がきゅっとなって、きいろを2階に連れて行った。
「久々だな、みどりの部屋」
そう言って笑うきいろが可愛い。
「きいろとよくふざけてたの思い出したよ。きいろとここでバンドごっこして怒られたの覚えてる?」
俺はたてかけられて、埃をかぶったギターを眺めながら言う。
「俺、ドラムで、きいろがギターボーカルで暴れ回ったなぁ。なんも弾けないから、楽器だけもってエアで暴れたよな。おかしかった。いまからやる?」
返事することなく、きいろはじっとその部屋を見つめた。
「今日は一緒にベッドで寝てよ。みどり」
きいろは、笑みを浮かべると俺のベッドに飛び乗った。
きいろに欲情しないよう耐えねば、俺は静かに頷いた。
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