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出逢い 4にしおりをはさみました!
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出逢い 4
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しかし、痛い思いをしなかった。
恐る恐る目を開けると、さっきの人が抱き抱えてくれていた。
「…人を、物扱いするんじゃねぇ!」
そう言うと、奈都を抱き抱えた状態で次々と立ち上がっていた人を、倒していく。
数分後には、多勢が屍になっていた。
「…死んじゃったの?」
やっとの思いで聞いてみると、フッと笑われた。
「殺してねーよ、勝手に倒れているだけだ。っていうか、悪かったな巻き込んで」
奈都を、静かに地面に下ろしてくれた。
「大丈夫だよ」
むしろ、興奮してしまっていた。
(わーって来たのに、ビュンビュンしてパッターンだった!)
見たことのない格闘シーンに、やたらと効果音を使い再表現をしていた。
キラキラした目で見てしまい、相手が引きぎみだったのは奈都はわかっていない。
頭の後ろをポリポリと掻きながら、奈都の目線になるようにしゃがんで聞いてきた。
「…で?」
「?」
「お前、どっから来たの?」
「…ちゃん」
「は?」
奈都の言葉が聞き取れずに、聞き返した。
「お前じゃないの!奈っちゃん!」
「…」
フンッと鼻息を荒くして言うと、その人は少し考えてしまった。
「…名前は?」
「奈っちゃん」
「…それは愛称だろ。名前」
名前と言われても、奈都は『奈っちゃん』と家族に言われていたから『奈っちゃん』以外、出てこない。
う~んと捻り出して、ようやく違う単語が出てきた。
「…俺?」
『俺ね』と最近言うようになった一人称を言うと、その人は眉を潜めた。
「…『おれ』?わからん。どっから来た?」
「奈っちゃん家!」
「…間違っちゃーいねーけど、住所は?」
難しいことを言われて、奈都はポカーンとしてしまう。
「…年は?」
「5才」
「ここの前は、何をしていた?」
「ノブに追いかけられたの」
「ノブ?」
「ノブ、嫌い!意地悪っ」
今日は追いかけ回された。
「もしかして…迷子か?」
「ううん、家出!」
自慢気にそう言った瞬間、頭を抱えられた。
「…?お兄さん、お名前は?」
逆に質問してみた。
「朔馬」
「さくま?」
「…来た道、わかるか?」
「う~んと、ここ真っ直ぐ。ちょっと曲がった道?おっきな道」
「…不安しかねーな。わかった、来い」
奈都が言った道へと歩き出す朔馬に、奈都は慌てて後ろをついていった。
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