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*04*にしおりをはさみました!
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*04*
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多数決で負け、それ以上の抗議は無意味となった。
アツキには申し訳ないが、俺は黙って罰ゲームが言い渡されるのを待った。
どうせ、二人でいつもよりやや高額なカラオケやファミレスおごりとか、漫才とか、その程度だろう…
くらいに高を括っていたが、甘かったらしい。
「アッちとリオには、一週間お付き合いをしてもらいます。」
自信満々に言い渡された、罰ゲームは、少々理解に苦しむ内容だった。
それは、ソウヤとシュウマも同じなのか、俺たちは「は?」と目を丸くした。
「だから、アッちとリオは、これから一週間、擬似恋人になってもらうんだよ。」
秘密を囁く様に、姿勢を低くしそう言う楽しげなハルトの顔を見て、俺の思考は一瞬止まってしまった気がする。
ソウヤとシュウマの爆笑によって、現実に戻る事ができた。
「それ、マジウケる!」
「新パターン、超いいじゃん!」
他人事だと思って、はしゃぐ二人とは反対に、俺は焦りを隠せなかった。
「何?恋人って…何すんの!?」
「え?」
詰め寄る俺に、ハルトのとぼけた顔が向けられた。
「いや、そこまで考えてないけど、アッちの風邪が治るまでに考えておく。」
「じゃあ、俺も考えまーす。」
ソウヤが張り切って手を挙げた。
シュウマも続けて手を挙げる。
落ち目だったトランプ大会が、盛り上がってくれたのは大いに結構だが、俺には不安しかなかった。
キスしろとか、悪ノリが過ぎないことを祈るまでだ。
それ以前に、アツキがこのことを聞いたら、激昂するのではないかと心配だ…
いや、アツキが来れば、理論的に説得して、無効にしてくれる可能性もある。
それでも、願わずにはいられない。
――風邪、長引け!
不謹慎だが、午後の授業のほとんどをそう願いながら過ごしてしまった。
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