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同窓会③にしおりをはさみました!
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同窓会③
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その後会場に戻ってから先生と一度も二人きりになる事は出来ず、さっきのチャンスを逃してしまった事を後悔しするのと同時に、10年振りの再会を果たした先生にキスをしようとしてしまった事に自分自身驚いた…
俺…まだ先生の事好きなのか?
「今日はみんなと10年振りの再会が出来てとても嬉しかった!これからもそれぞれの道を頑張って行って欲しい」
そんな言葉と一本締めで同窓会は締めくくられて、俺は焦っていた。
「二次会行く人~?おい木下お前も勿論行くよな~?」
「え?俺は…」
先生が行くなら…
そう思いキョロキョロと辺りを見渡し先生の姿を探した…
え…居ない⁉︎
「おい!吉井先生は⁉︎」
俺は隣りにいたヤツの肩を掴むと、半ば怒鳴りつける様にそう言った。
「な、なんだよいきなり」
「いいから!!先生は何処行ったって聞いてんだよ!」
「明日朝早く東京帰るからって、さっき帰ったぞ」
…え?
「悪い…俺、二次会パス…」
俺は力無く小声で呟くと、全力で走り出した。
「はぁ…はぁ…吉井先生!!」
しばらく走った所で、ようやく先生を見つけた。
昔と変わらない、冬の間の先生お決まりのスタイル、黒いコートにマフラー…俺の身長より頭一個分小さい背丈…後ろ姿でもすぐに分かる。
俺に大声で名前を呼ばれて、先生はビクリ身を震わせ足を止めると、後ろを振り返り俺の姿を見つけて目を丸くした。
「木下…どうした?二次会には参加しないのか?」
「はい、断って来ました。先生こそ、もう帰るんですか?」
「あぁ…ほら、もうすぐ推薦の出願近いだろ、いろいろと仕事がかさんでるから朝一で帰らないといけないんだ」
先生は苦笑しながらそう答えた。
「大変ですね」
昔からそんな風に生徒の事を第一に考えてくれる先生が好きだった。
「で、木下は10年振りに再会したみんなとの二次会を断ってまで、何故こんな所に居るんだ?」
「それは…先生と話がしたくて…」
先生はキョトンとした顔で俺を見つめたあと‘あはははは,と、腹を抱えて笑った。
「お前相変わらずおかしなヤツだな~どう考えても俺みたいな30過ぎのオジサンと話すより同級生と騒ぐ方が楽しいに決まって…」
「そんな事ありません!!」
俺はムキになって先生の言葉を遮る様にして、そう言った。
「…そうか…少し話すか…?」
先生は真剣な俺の物言いに、驚きながらも、根負けしたのか俺にそう問い掛けた。
「はい」
「ほら」
「有り難うございます」
俺は先生から手渡された缶コーヒーを受け取り公園のベンチへと腰を降ろした。
温かいコーヒーを一口啜って、一旦気持ちを落ち着かせた所で口を開いた。
「先生、さっきトイレで聞いた事なんですけど…」
「あぁ…あの時の事…ってヤツか?」
先生は思い出す様に夜空を仰ぎながらそう言った。
「はい。三年の時の夏、補習中に俺が…」
「覚えてるよ」
‘先生にキスした事覚えてますか?,と、続ける筈の俺の言葉は、そんな先生の言葉で書き消された。
「え…?」
「ちゃんと覚えてる…いや~あのキスはかなり痛かった」
そうだ…勢い余って、思い切り歯がぶつかったんだっけ…ちゃんと覚えててくれたんだ。
「俺も痛かったっス…」
舌入れようとしたら先生に噛み付かれたんだよな…
「木下…お前後悔してないか?ファーストキスの相手が俺で」
「後悔なんて…むしろ先生で良かったというか…」
「そうか…俺は後悔したんだ…」
え…?俺とキスした事を?
ショックを受け、落ち込んだ顔を隠せずにいると、先生は慌てて首を横に振った。
「あ、いやいや違うぞ!木下とキスした事をじゃなくて…実はその…俺のファーストキスも中学の時の担任の先生だったんだ」
へぇ…って、えぇっ⁉︎
そんな事思いもよらなかった。先生の中学の時の話聞きたい…
「俺に…その話聞かせてくれませんか?」
先生は一瞬困ったような顔を見せたあと、小さく頷いた。
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