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海へ出た初夏の旅14にしおりをはさみました!
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海へ出た初夏の旅14
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(葵語り)
エロおっさんだ、エロおっさんが後ろにいる。
どうしよう。
雅人さんはつかみどころのない人だ。最初は俺を口説こうとしていたけど、その気が無いのは鈍い俺から見ても明らかだった。口は動いてるけど、心ここに有らずみたいな。もう何が本気の言葉なのかさっぱり分からなかった。
雅人さんが布団へ入ってきた時、先生と重ね合わせてしまい泣きそうになる。つまらない意地を張って先生を怒らせてしまった。
毎日一緒に寝ているから、この場に居ないことが余計に恋しくなる。とにかく落ち着かないのだ。俺が必要としている温もりは、雅人さんではなく先生だとはっきり気付かされた。
先生、会いたいな。次に会ったら、ごめんなさいをして、ハグしたいな。先生との出会いを思い出していたら更に恋しくなった。本当にバカなのは俺だ。
いっぱい愛して欲しい。先生の優しい愛撫を思い出し、俺の後孔が疼き始める。だんだんムラムラしてきたので、性欲は正直だと思った。
メスっぽいと言われてても、脳みそはしっかり雄なのである。
そんな俺の身体に雅人さんの手が伸びてくる。欲しいものとは全然違う、強引で無骨な男の手だ。不快に揉んでいた尻たぶを抉じ開けて、後孔へ指を突っ込んできた。相手を思いやるセックスの触り方じゃない。触診するような機械的な気持ち悪い探り方だ。
「葵君のアナル、普段も入り口は柔らかいんだね。だけど、ナカはきつそう……かな。」
「ぁんっ…………やめてくださいって。」
「そう言われて止めると思う?葵君、ココ大好きでしょ。俺にはよく分かるよ。好きモノのほしがりやさん。」
「あなたには、分からなくても……いい……」
後ろに併せて前も触ってくるのでパニックになっていると、暴れた瞬間に向こうの手が緩んだ。その隙を狙って、布団から転がり出る。慌てて脱がされそうになっていたパンツを膝から引き上げた。
お尻の穴がジンジンする。 それに先生のことを考えていたから、扱かれたのが刺激になり勃起していた。薄い短パンから自分で見ても分かった。
慌てて枕元にあった携帯の電源を入れる。おびただしいメッセージ数に驚愕する間もなく、先生にダイヤルしようとすると、雅人さんがこっちを向いた。
「葵君、ここから祐ちゃん家までどれだけあると思ってんの。どんなに急いでも15分はかかるよ。」
「く、車で来てもらう。」
「喧嘩して怒らせたのに、こんな夜中に来るわけないよ。1人で帰るんでしょ。常識から考えて電話しても出ないと思うけど。」
「うぅ…………」
酷い。言い方に容赦が無い。
「あーあ、イケるかと思ったのに、拒否されたかぁ。ショックだわ。かっこわるー。どっちみちそんなに勃ってたら外に出れないよ。通報されるに違いないね。治るまでここにいなよ。」
「分かってますってば。いちいち言葉にしないでください。」
股間はそのうち治ると思うので、気にはしていなかったが雅人さんの側には近寄りたくなかった。部屋の隅で小さく座り直す。
「襲わないよ。無理矢理はポリシーに反する。」
「半分無理やりでしたよ。信じてたのに………」
「葵くんがガード固すぎなんだって。色んな人とやってみるのは悪くないと思うんだよ。何にでも幅を持たせることが大事だし、行為にもバリエーションが出るんだ。祐ちゃん以外の男を知って、祐ちゃんの良さに改めて気付く、みたいな。男はテクニックがあってこそだ。」
俺が拒否したことを恨み節のように管を巻いてくる。
「まっっっっっったく思いません。先生よりいい人は今のところ存在しません。この先もいません。」
「頭が硬い。若いのにもったいないよ。そもそも君は男なんだから、女の子みたいに守るものないでしょ……ちょっとどこ行くの?俺の話はまだ終わってないんだけど。」
その時、店の引き戸を開ける音と俺の名前を呼ぶ先生の声が聞こえた気がして、思わず立ち上がったのだった。
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