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熊谷家の人々13にしおりをはさみました!
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熊谷家の人々13
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(葵語り)
そう言えば、付き合って一年くらいの時、先生の元カノさんからも気持ち悪いと言われたことがあった。
その時も泣いたっけ……俺って全く進歩してない。
先生は背中に腕を回して、抱きついた俺をしっかりと受け止めてくれた。
俺がちゅっちゅっと続けてほっぺにキスをすると、熱い目で見つめられる。そして、周りを見回した後、今度は深い口づけをくれた。
朝に二回も身体を重ねて、先生の昂りを受け入れた後ろが物寂しそうにキュンと疼いた。すぐにセックスがしたくなるのも、欲求不満みたいで恥ずかしい。先生が欲しくて仕方がない。
長いキスの間、舌を戯れるように絡めていると、次第に前が固くなってきた。バレないように手で隠そうしたら、やんわりと上から揉まれる。なんでもお見通しみたい。
スイッチが入りそうな俺を感じたのか、キリのいい所で口を離された。つまんないな、と先生に視線を送ると困った顔で見返された。
「外でするのはここまで。そんな物欲しそうな顔をしても駄目。続きは帰ってからな。今朝は結構激しかったけど、まだやりたいの?後ろは腫れてない?そう。平気なんだ。葵はエッチだな。そんな葵に欲情している俺も十分変態だと思う。今だってヒクヒクしてるナカが見たいもん。」
ナカが見たい……やっぱり変態だな。
見たってなんの得にもならないだろうに。
「変態って自分で認めた。ふふふ。さっきの雅人さんってどんな人?1人で泣いてたらチョコレートくれたんだよ。いい人なのかなぁ。」
知らない人から物は貰わないの、と優しく小突かれて、子供みたいな注意を受けた。
「あいつはな……隣の家に住んでいた幼馴染だ。俺と和樹が7歳離れてるから、2つ下の雅人は弟みたいな存在だった。賢いくせに俺と同じ高校で………あ、やべ。」
先生が急に口を押さえて考え込んだ。何がヤバイのかな。
「どうしたの?」
「いや、あのさ……今思い出したんだが、俺、雅人に告白されたことがある。俺が大学に合格して家を出る時、『裕ちゃん、僕と付き合って』って言われたわ。ずっと忘れてたけど、確かに言われた。なんで今さら思い出したんだろう。そんなこともあったな。」
勿論丁重にお断りしたものの、雅人さんが号泣して宥めるのが大変だったらしい。
どこまで先生は優しいんだよ。そんなことしたら忘れられないどころか、今でも思い出したくなる胸キュンな初恋じゃないか。
「えっ、じゃあ昔に振られた片思いの人と再会したってこと?そんなの、狙われるじゃん。春子さんに先生の近況を聞いて、男の恋人がいるなら、自分だって……ってなるよ。
連絡先もゲットしたし、春子さんをダシにしてなんとか落とそうって思うでしょう。先生……浮気したら許さないからね。ちょっとでも怪しかったら自分の家に帰るから。」
「はぁ?浮気……ってあり得ない。考えただけで気持ちが悪い。雅人となんか無い無い。そもそも葵だけで手一杯なのに、他なんか構ってられないよ。葵の他は何も要らないの。それに、あれから10年以上経ってるし、結婚はしていないけど、彼女はいるかもしれない。遠い昔の出来事だ。
頼むから勝手に実家へ帰るのはやめてほしい。な、お願いだよ。葵がいないと寂しいんだ。」
いつの間にか立場は逆転し、包まれていた筈の俺に、先生が縋り付くように抱きついてきた。
11歳も年上なのに、1人にされるのが本当に嫌みたいだ。いや、俺がいなくなるのが嫌なのかな。これは自惚れてもいいのかな。
付き合ってから3年が過ぎ、俺たちの関係が少しづつ変わり出したようだ。
嬉しくなった俺は、『冗談だよ。どこにもいかないからね』と言いながら、先生の頭を撫でた。
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