アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
春輝の過去2にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
春輝の過去2
-
「ごめんね、春輝、おかえり……怖かったわよね…」
家に帰ってきた俺を、母さんは優しく抱きしめてくれた。
母さんに会えなくて我慢していた涙が一気に溢れてきた。
「もう……お母さんとずっと一緒にいる…」
泣きながらそう言った。母さんもそれを望んでた。
だけど、そんな日々も長く続かない。
14歳の時に、初めて知ることになった、母さんが俺を施設に預けた理由。
母さんの体は、もうボロボロだった。
長くはもたないと言われた。
「母さん、俺早く卒業して頑張る。」
母さんにそう言った。母さんには、身寄りが無かった。
家族の反対を押し切り父さんと結婚して、俺を産んで、父さんは俺の記憶に残る前に事故で死んだ。
そんな母さんだったから、俺が守るしかなかった。
中学を卒業して働いた。
中卒で技術なんか無い俺に十分な給料なんてなかった。
母さんの治療費を払うだけで精一杯の毎日。
でも母さんがいたから頑張れた。
そんな母さんも、俺が17歳になった時、死んだ。
俺はもう、自分が生きる為にしか生きられなくなった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
35 / 90