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耽溺 6にしおりをはさみました!
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耽溺 6
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「凪…お前何か勘違いしてるぞ」
斎が凪の頬を伝わる雫を指で拭き撫でる。
ここまできても斎はシラをきるつもりなのだろうか。何を言い訳されたところでこの痛くて苦しい気持ちが癒えることはないのに。寧ろそうやって言い訳を聞けば聞くほど辛くなるのは目に見えている。
「言い訳なら聞きたくない……もう俺のことは放っとけよ…!」
「いいから聞け、凪。お前が何を勘違いしてそう言っているのかは知らないが俺には女なんていない。それに、付き合ってるのはお前だけだ」
斎が当たり前のように口にした言葉に、先程まで止めどなく溢れていた涙が嘘みたいにぴたりと止まる。
「は…?…付き合ってる………?誰と誰が…?」
「俺と、お前がだ」
「………………ほへっ?」
思わず口にした疑問に斎は表情を変えずにさらっと言いのける。お陰で変な声が出た。
「いや…いやいやいや……いつ付き合ってたの俺ら」
「は?お前と出会ってからだろ」
質問が癪に障ったのか怪訝な表情を向けられる。
その表情をしたいのは俺なんだけどね!
そう言いたい気持ちを今は抑え、一息吐き出すと、斎に一番聞きたいことを意を決して言葉にする。
「俺と会う予定だった日覚えてる…?」
「デートする予定だった日か?」
さらっとデートだと言い換えられて恥ずかしくなる。だが、今は気にしないように話を続ける。
「そ…そう。その日俺、見たんだ。…斎と可愛い女の人が腕を組んで出てくるところ」
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