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現実を理想だと思いたくて12にしおりをはさみました!
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現実を理想だと思いたくて12
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内壁がより強い刺激を求めて熱く富田の指に絡みつく…
俺の後孔はすっかり拡張されて、何の抵抗もなく富田の指を咥えていた。
そこにはもう嫌悪感は無く、あるのは焦れったい快感だけで、もっともっとと腰が揺れる。
「これじゃあ傷つけるどころか喜ばせてるだけですね」
そう言いながら探るように中を掻き回していた富田の指が、狙ったようにフッとある一点を突いた。
「はあぁああ…ッんっっ」
その瞬間、形容し難い快感が電流のように一気に脳を貫いて、反射的に身体が仰け反る。
「困った人だ…」
その様子を見て富田が笑う。
「ん…あ、あ、あっ…」
反応を楽しむように集中的に同じ部分を刺激され、俺の頭は段々と真っ白になっていった。
ドレスの布地を押し上げている俺の中心からは際限なく透明な液体が溢れていく。
待ちわびていた刺激に身体が喜んでいるのがわかる。
さらに奥からせり上がってくる快感は自分では制御出来なくて…
どんどんと俺を追い詰めていく…
あぁもっと…もっと欲しい…
「…あっっ…ん、、もっと…はっぁ、んん…ッ」
無意識に富田を求めて声が漏れ出ていることに気づいていない。
ただ身体は熱くなるばかりで…
ねぇもっとぉ…もっとぉ、、俺の中っっ掻き混ぜて…
ねだるように富田を見つめる。
富田がゴクリと喉を鳴らすのが見えた。
「ほら、足上げて」
そう言った富田の頬は仄かに紅潮していた。
さすがの富田も多少なりとも興奮しているらしい。
俺の希望に応えようと壁に背中を押し付けられたまま足を抱え上げられる。
急に支えが無くなって身体が落ちそうになる感覚に、俺は咄嗟に腕を伸ばし富田にしがみついた。
「分かってるじゃないですか…」
「あ…んっっ」
手を離せば、後孔に当てがわれた富田の熱い塊が押し入ってくる。
この期待と絶望が隣り合わせの、ギリギリの状態に胸が高鳴る。
あ…もう…
中が熱く疼く。
中心はより強い刺激を求め、頭をもたげたまま打ち震えている。
そして後孔はヒクヒクと伸縮を繰り返し、富田の侵入を今か今かと待ち構えていて…
それなのに…
何故だかわからない涙が次から次へと溢れてきて止まらない。
ポツポツと次々に乾いた地面を濡らしていく。
「こんなに泣くほど喜んじゃって、、犯し甲斐がないですね」
あぁ誰か…
誰か…
「……りょ…う…」
思わず零れ出た名前に、自分で言って目を見張る。
でもそれも一瞬で…俺は目の前の富田にフッと笑いかけると、快感に身を委ねゆっくり腕の力を抜いていった…
……
…………
…………………
……ガッ！！
「…っ、、！？」
急に支えを失った身体が落下する。
咄嗟に手をついて尻餅をつくことは免れたものの、着地する瞬間、変に力が入ったのか手首にズキンッと鈍い痛みを感じた。
でもそんな痛みも忘れてしまうような光景が目の前で繰り広げられていて…俺は固まって動けなくなる。
狭いベランダで右手を振り上げる僚…
その顔は氷のように冷たくて感情が読み取れない。
ただ危険な雰囲気だけは伝わってくる。
このままではダメだ…
俺は身体が火照ったままのボーッとする頭で、わけも分からず咄嗟に僚の服へと手を伸ばした…
「僚…」
富田に触れる寸ででピタリと僚の振り上げた拳が停止する。
腕で顔を覆い怯える富田を一瞥すると、僚は荒々しく胸倉を掴んでいた手を離した。
富田の身体が力無く崩れていく。
僚は俺の方を振り返り、無言のまま傍まで来ると、俺の頭に優しく触れた。
反射的にビクッと身体を震わした俺に、僚は僅かに表情を険しくさせると、ウィッグに手を伸ばし薔薇の髪飾りをそっと外した。
そして自分のハチマキも取ると、へたり込む富田に向かって思いっきり投げつけた。
僚…？
争奪戦を自ら放棄するようならしくない行動に驚いて僚を見る。
「限界だ…掴まれ」
俺は言われたまま僚の首に腕を回した。
抵抗は無かった。
「……………」
僚はそんな俺を確認して小さく頷くと、黙って俺の身体を抱きかかえた。
布地が肌に擦れてサワサワする。
でもそれ以上に僚の匂いを近くで感じてドキドキした。
どうしよう…嬉しい…
俺はギュッと腕に力を込めると、僚の首に顔を埋めた。
傍に…いてくれたんだ…
チラリと盗み見た僚の顔はいつも以上に凛々しくて、真っ直ぐ前を睨みつけた瞳は静かに怒りの色に揺れていた。
振り返ることなく特別棟を後にする。
火照る身体に僚の冷えた肌が気持ちいい。
俺は僚の腕に身を委ねると、ゆっくり瞼を閉じた…
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