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「あれ?他のメンバーはいないんですか?」
その日は、生徒会室の扉を開くと部屋の中には会長しかいなかった。
リズムよくパソコンを叩く音だけが響いている。
「泉か...他の奴らはクラスでの作業で、今日は来れないそうだ。泉は大丈夫なのか?」
「俺は大丈夫です。俺がいなくてもクラスの奴らは平気みたいですしね」
苦笑いして席に着くと、珍しく会長がフッと小さく笑った。
今日の会長なんだかご機嫌じゃない?それに表情も柔らかいし。
BL本のいいネタになりそうだ。観察しとこーっと。
そう言えば、今までこの生徒会室で会長と2人っきりになったことなかったな。
初めてかもしれない。
俺のBLへの探究心に感心した神様からの贈り物かな!?
他の人達に遠慮せず、堂々と会長を観察できるなんて、神様いい仕事してる〜♩
*
「んー...はぁ」
流石に休憩なしでやってたから疲れたー。
身体を伸ばして固まった筋肉をほぐしていると、目の前にコトンと俺専用のマグカップが置かれた。
紅茶のいい香りが鼻を掠める。
「えっ、会長!?...ありがとうございます」
俺のマグカップちゃんと知ってたんだ。
いつもは浅川君が淹れてくれることが多いから、知らないと思ってた。
それに、会長に紅茶を入れて貰うのも初めてだ。
会長からの飲み物は浅川君の特権だと思っていただけに、少し驚く。
今日は何だか知らない会長が沢山見れる日だな。
少し嬉しくなって思わず口角が上がってしまう。
会長は自分の席に戻るかと思いきや、腕を組んで俺の机に腰掛けた。
「泉…前から気になってたんだが、どうしてお前は俺に対して敬語なんだ?」
唐突な質問に思わずキョトン顔で返してしまう。
自分でも深く考えたことがなかった。
「会長だからですかね?」
「答えになってない。同級生なんだからタメ口でいいだろ。それに役職で呼ばずとも名前で呼べばいい」
名前……遊星って会長のこと呼ぶの?
えっ、恐れ多すぎる。それに今更呼び方変えるのも恥ずかしいし。
「きゅ、急には恥ずかしいですよ!ずっと会長って呼んできましたし」
何故会長がこんなことを突然言ってきたのかはわからないが、今日の会長は本当にどうかしている。
「いいから、名前で呼んでみろよ泉」
そう言えば、会長は俺のことを泉って下の名前で呼ぶことに今更気付いた。
考えてみると生徒会に入った時からそうかもしれない。
もしかして、ずっと1人の友人として慕ってくれていたのだろうか。
………会長
「ゆ、遊星」
何故だろう。名前を呼ぶだけなのに、とても恥ずかしい。
凄く居心地が悪い。
会長改め、遊星は機嫌がいいのか満足そうな表情を見せると、ゆっくりと顔を近づけ俺の耳元で囁いた。
「もう一度」
腰にズシンとくるような低い声。
普段とは違うその艶かしい声に、ピクリと体が跳ねる。
なにこれ、恥ずかし過ぎる。
きっと今の俺は真っ赤な顔を晒しているに違いない。
「名前を呼ぶだけなのにそんなに恥ずかしいのか…泉」
「な、慣れてないから!あ、あの!耳元で喋んないで」
遊星を遠ざけようと肩を押すが、びくともせず、逆にヌルリと舌が耳を這っていく。
「…んっ」
ピチャピチャ
卑猥な水音が耳の奥まで犯していく。
ゾワリと全身にこそばゆい感覚が伝わり、押しのけるために掴んだ遊星の肩を思わずギュッと強く握った。
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