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気になるあの子 →side sizuにしおりをはさみました!
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気になるあの子 →side sizu
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フランスでのコンテストにも、あと2、3回は入賞しておきたかったが、コッチのこの状況を母親から聞いてフランスには戻らないことになった。
バブル期でもないのに、近くにイベント会場の競技場が出来ることが決まった直後くらいから、地上げ屋がくるようになったらしい。
確かに昔気質でやっていた洋菓子屋は、今どきの店とは違い買いに来るのは昔ながらのこの近所のセレブ達と老人ばかりが多い。
親父のレシピどおりには作っているが、僕も自分の色にしていきたいという気持ちはある。
そして、この店をまもりたい。
チンピラたちが、強行手段に出てきたのは予想外だったが、あの子が助けてくれた。
身体が大きいから成人しているのかと思ったら、まだ高校生だという。
あんな風な顔で僕の菓子を食べてくれるなんて。
助けてくれた時に落とした買い物袋の中に、パフェがあったからもしかして、好きなのかなと思っで同じようなものを作ったが、案の定甘いものが好物のようだった。
あの子には悪いけど普段が無愛想な顔をしているから、パフェを食べている時のとろけるような笑顔が眩しく見えた。
……可愛かったな。
明日からは、手伝いのバイトをしてくれると約束してくれた。
少しは地上げ屋への抑止力になったらというのもあったが、単純に、僕がまたあの子に会う理由が欲しかっただけだ。
買いに来てくれるのを待ってるだけなのは、なんだか嫌だなと思った。
さて、明日、あの子にまかない用のお菓子を用意しておこうかな。
僕は普通の仕込みの菓子よりも、ウキウキしながら、材料を用意し始めた。
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