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135にしおりをはさみました!
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ハミドが全然帰って来ないので様子を見に行くと、深刻そうな顔をしながら、何か話していたようだ。
長くなりそうだと思って、一旦ハミドの部屋を出てエントランスラウンジのお姉さんに声を掛け、コーヒーと紅茶のシフォンケーキを出して貰った。コーヒー位自分で入れられるんだけど、お姉さんが言うには、いつもハミドが寂しそうにしてるが、俺が来ると凄く楽しそうに過ごしているらしい。自分で彼が寛げるようなスペースを作る為、俺の好きなケーキを焼いて餌付けしているんだと言っていた。お取り込み中なら、ハウスキーパーさんに部屋まで差し入れしておきますと言われたんだけど、わざわざ焼いてくれるなら直接お礼を言いたい。たまに持ってくるご飯のおかずをお礼にしてたりと、交流を持たせて貰ってる。
多分気がつくだろうと何も言わないで出てきたのだが、余程慌てて出てきたであろうハミドが、白のザックリしたニットを素肌に直接羽織り、同じく白のパンツで、鍵だけ掛けて出て行くかのように慌てていたので、呼び止めた。
「怒って帰ってしまったかと、慌てて追いかけて来た。」
「その服、珍しいね。ハミドが年相応に、見える‥」
「そうか、ユースケが、シオンの服装に合わせてとブランドの新作を贈ってくれたものだったが、来年の春夏のデザインらしくて何となく着れなくてな。
急いでいたからすぐ着れてありがたい。シオンはこういう方がいいのか?」
「う、うん。ハミドは大人っぽいから、いつも離れたカップルに見えてて‥ハミドは仕事でそんな感じの服って着ないだろうから無理だなって思ってたけど、白がハミドの褐色をより際立たせていて、そういう色味は、好きかも。」
「好きか‥」ハミドはしげしげと肩を捻ったりして洋服を見ている。
まぁ、モデルみたいに長い手足、褐色のツヤツヤした肌、最近少し伸びてきた髪が更にワイルドさに磨きがかかり、こんな格好で街を歩いたら視線を集めて仕方ないだろうとは、思う。
ここで見れるなら、良いのかなって、頬杖ついて見とれてしまった。
「‥シオン?」
ハミドが困ったように声を掛けようとすると、ラウンジのお姉さんがすっ飛んできた。「ハミドさん、お飲みもの、お持ちしますが、ケーキはどうなさいます?」
「えっ‥‥あぁ、シオンが食べてるのを貰おう。」
「畏まりました。シオンさん、もう少しゆっくりしてってねっ。コーヒーお代わりはいかがです?」「じゃあください。」「はいっ!」
なんだろう、お姉さんにも俺がこんなハミドが見たいってバレバレだったのだろうか。
「ふぅ‥そんな、気分では無くなってしまったか。何処かへ出かけるか?」
ハミドが残念そうに笑う。本当は家に居たいだろうに、いつも俺の機嫌を伺ってくれる。
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