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今日は、デザイナーの神地悠介さんのお店に来ている。
驚いた事に、俺に合わせて洋服を、作ってくれたらしい。
「うん、これなら一回の仮縫いで終われそうっ」
るんるんしているように見える。
「あの‥これって‥一体?」
「あれれ?ハミドから聞いていないの?君くらいの男子高校生をイメージして服を作るんだよ。うまく行ったら俺だけの店を作るんだ」
「えっ‥この店は‥?」
「あ、じゃあ一から説明しないとね。この店はね、セルシウスっていうブランドで、ここが俺の仕事場兼アトリエ。俺の城でいえば本丸ですっ。
商業ベースにうまく乗せて利益を追求した、ね。今の仕事だと、雑用が4、売るための商品を考えるのが4、好きな服を考えるのが、2。そんな配分なんだよね。
勿論、社員も沢山いるし、好きな事で食べさせて貰ってるから、贅沢は、言えないんだけどさ。」
神地さんは寂しそうに笑った。
「修行時代は服作るのが大好きでさ、俺の欲しい服がないから、自分で作るんだ!みたいな情熱持ってたけど。やっぱ無難になるよね、沢山の人に着てもらうなら」
「俺、神地さんデザインの服好きですよ。」
「ありがと。でもね、俺が作りたい服の2割もここじゃ出せないんだよ。ほら見て、仮縫いの洋服。シオン君って言ったよね。俺の店の洋服より、君のイメージってこうなんだよね。」
神地さんは、マリンテイストの少しだけ裾の長い厚手の白い長袖を持ってきた。ズボンはタータンチェックの黒なのだが、長袖の両脇に切り込みがあり、その3角部分に同じタータンチェックの布が足されて縫われている。
マリンに沿って正面に小さな飾りのネクタイがついていて、
ちょっと広がる感じで丈も気持ち長い。
神地さんの店の洋服が辛めコーデに対してこちらは甘め。
なんだか少し子供っぽいのに、楽しい気分になる。
「可愛いけど、洋服に着せられてる感じです。」
「見慣れないとね、最初はそうかも。」
見せるのはこっちなんだけどねと、もう一つある洋服を棚に置く。
こちらは、白のカッターシャツにやっぱりネクタイ。白と黒のセーターなんだけど、黒の使い方が脇から、曲線を描いていて、スパイシーな中にも視覚効果で痩せさせるように見える。次はこっち着てねと言われた。
「これを合格したら、店の相談。ハミドは居ないらしいけど、話は通してくれてるらしいから、この仮縫いが終わったら行くつもりだよ。
サイズ展開はSとMと、Lまでなんだ。これ以上の体型の方はご遠慮くださいってこと。なっ!俺の作りたい店、嫌な店だろー」
さっきからこの人の話は一々面白い。
「えー、ハミドが俺の服を着てくれたんだ。」
神地さんが、嬉しそうに言った。この間、ハミドが慌てて着てきた例の服。
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