アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
197にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
197
-
side ハミド
シオンの中で種付でもするように、満足するまで動いていたら、そのままシオンがくたりと動かなくなった。
急に心配になったが、また静かに呼吸をして眠っているだけなので、安心した。
シャワールームで身体を清め、薬を手早く塗る。
腰から足をスペシャルの湿布を貼ると、気持ちいいのかふにゃふにゃ笑う。シオンの頬をつつくと、その指に頬をすりつけ子猫のようだ。
タオルケットを掛けてやると、今度は布の匂いをすんすん嗅ぎながらまた笑顔のまま、またスヤスヤと眠りに落ちた。あと数時間になってしまったが、ゆっくり眠って欲しい。俺はシャワールームで身体を洗うと、そろそろ身支度を始める。シオンはユースケに作って貰ったスーツがあるらしく、それも掛けて置いた。本来なら、学生服が正装なのでそれでいいと思ったが、ユースケがかなり無理をして作った仕事と聞いて、アイツはこういう無茶振りにも対応するのかと、仕事面では頼もしく、嬉しい誤算だ。
俺はサヴィルロウの通りで誂えたチャコールグレーと銀糸を織り込んだ生地で三つ揃えのクラシカルなスリーピースだ。
かっちり着込めばさっきまでデレっとしていた俺でも、背筋が伸びる。
コックピットへ、ザイール兄上の疲労回復タブレットを差し入れ、機長も労う。
『随分とお優しくなりましたね〜』
カリフがまた嫌味ったらしく近づいてきて俺に毒づく。
『別段、珍しくもないだろう、兄上から沢山送られてきたのだ。』
『いえいえ、シオンとの事です。ハミド殿下が、お優しいのも調教するのも、可愛がってる馬だけだとお聞きしたものですから。衝立越しで声でしか聞き取れず、といっても貴方の声は殆ど聞き取れませんでしたが。ボリュームあげるとシオンの声が…アレですし。』
カリフめ、やはり聴いていたな。声を出さないようにして正解だ。
『それよりも、俺が女を置き去りにした記憶は全くないが?言ったのはどこのバカ女だ。レイラだったら、アイツの仕事をまた邪魔してやる。』
『いえいえ、モデルのアンナさんですよ、行為中に携帯電話に出た挙句、そのまま話し始めてテル様のお産に付き合う。用事が済んだら直ぐに飛ぶから…と』思い出した。テルの祖父が亡くなり、法事と馬のお産が重なって大変だった時の事か。
詳細は省くが、女を労ってる暇等無かった。
『思い出しましたー?シオンなら放って行くことはありませんよね。』カリフは固まった俺の顔を見ておかしそうに笑うが、『行くには行くが、シオンは担いで行く。』どちらか選べと言われたら、両方選ぶのが俺だ。
俺の回答が気に食わないのか、そーですか〜もう勝手にしてくださいと、ひらひらを手を振り呆れながら、カリフは持ち場へ戻っていった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
197 / 685