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心配性 友sideにしおりをはさみました!
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心配性 友side
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「うん、それでな・・・・」
隣で運転しながらイヤホンで電話してるレオは、
恋人とでも話しているのか、ニコニコと微笑ましい。
あんまり見ると嫌だろうから、窓に映る姿を観察する。
レオのこんな表情を見るのは初めてかもしれない。
いや、俺が知らないだけかもしれないけど。
まるで、恋するような。
はにかむ表情。
コイツにもそんな人ができたのか・・・・
いつも俺の後ばっかついてきてた奴が。
・・・何だか弟が巣立ったみたいな気持ちだな。
「大丈夫、ちゃんと帰るから・・・・」
ちょっと焦ったような表情。
もしかして、家で会う予定が俺のせいで狂ったのか?
それは、悪りぃことしたな・・・・
「うん、ほんならまた後で。はーい。」
通話が終わったようだ。
同時に俺のマンションに着いた。
「行こか、友。」
「いい。もう酔いもだいぶ醒めたから。」
そう言って助手席から降りた。
「は?どこがやねん・・・。」
レオはシートベルトを外して、運転席から降りてきた。
「ほら、行くよ。」
「いいつってんだろ。」
「も〜。ワガママ言わんと!」
「いや・・・ほんと大丈夫だから。・・レオ、ごめんな。」
「は・・・?」
目の前で呆けてるレオを尻目にゴソゴソと自分のポケットを探る。
見つけた財布から、諭吉を2枚取り出した。
「これ、お詫びな。」
レオは目を見開いた後、大きく首を左右に振った。
「な、何言ってるん!お金なんかいらんよ!友達やで!?」
後ずさるレオの手を掴み、握らせる。
「ちょ、だから友!」
「いいから!別にタクシー代として渡してんじゃねぇよ。」
「ほんなら、何よ!」
「・・・お前、今日好きなやつと会う予定だったろ。」
そう言うと、見るからにレオは狼狽した。
「な、な、な、ななんで知って・・・!」
「そんな顔すりゃ分かるよ。だから、そのお詫び。なんかご馳走買って行ってやりな。」
「で、でも・・・・」
レオの頭をわしわしと撫でる。
「たまには兄貴の言うこと聞けよ。」
「ゆ、友・・・・うん、ありがとう。ほんならありがたく頂戴します。」
レオがぺこりと頭を下げた。
「おう。悪かったな。じゃーな。」
「うん、おやすみ。」
レオにお礼を言って、エレベーターへ向かった。
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