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お誕生日、おめでとう 友sideにしおりをはさみました!
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お誕生日、おめでとう 友side
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誕生日なんて、めでたいと思ったことはなかった。
物心ついた頃から、親にはもう諦めていた。
誕生日プレゼントなんてもらったことないし、
欲しいと言ったこともない。
自分がこの世に産み落とされた日なんて、忌まわしくてたまらなかった。
だから、どの恋人といても誕生日だけは独りで過ごした。
祝われないかもしれないと思うと恐ろしかった。
親が思ったように、不要だと言われているようで。
要するにビビってた。
そんな俺の恐怖心を大和はいとも容易く乗り越えてくる。
いつもの誕生日前のナーバスな期間も、大和のバイト騒ぎでそれどころじゃなかったし。
誕生日に至っては完全に忘れてた。
こんなこと初めてだ。
大和の前で不覚にも泣いてしまい、でも、心からの喜びを
もらった。
『生まれてきてくれて、ありがとう』
なんて・・・。
今初めて、生まれてきて良かったと思えた。
ようやく、人生が動き出したような・・・
「あ、ケーキ!」
しんみりしてたら、突然大和が冷蔵庫へ走っていった。
「これがないとね!」
大和の手にはイチゴのショートケーキが。
年齢分の大小のろうそくが刺されており、
チョコのプレートには、『Happy birthday!』と書かれて
あった。
「さ、火を消して下さいね!」
「お、おう。」
ドキドキすんな!
こんなにドキドキするものなのか!?
俺、生まれて初めてだし!
「ふ、ふぅ〜。」
「上手、上手!」
全部消えたロウソクを見て大和は満足そうだ。
今日はなんだな子供扱いが心地いい。
「さ、食べましょうか。」
「え?さっきカレー食べたのに?」
「え?誕生日はケーキですよね?」
「あ、あぁ、そうかもしれないけど・・」
大和は6号サイズのケーキを半分に切った。
ま、まさか・・・・
「はい、友さんは大きい方ね!」
「食えねぇわ!」
ケーキ二分の一とかどんな大食いだよ。
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