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真実 賢人sideにしおりをはさみました!
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真実 賢人side
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「僕はっ、僕は本当に普通の家で育ちました。友さんの気持ちも、友さんのお父さんの気持ちも、賢人叔父さんの気持ちも、僕には分かりません。想像しか、できません。」
ふう、と大きく息を吐いて、彼は続ける。
「…僕は、友さんのことが大好きです。友さんの選択が、僕の選択です。……僕が今の話を聞いて思ったのは、人には色々な側面があるということです。それを知って、僕は少し嬉しいと思っています。だって、友さんのお父さんが素敵な人なら、それはすごく嬉しいことですから。」
「大和、お前は何も分かってなー」
「大和くんはよく分かってるじゃないか。」
「大和はまだ学生なんだよ。大人の汚い面を知らないだけだ。」
「お前は兄さんの汚い部分しか見ないのか?」
「アイツに汚い部分以外なんて無ぇ。」
「友、大和くんよりお前の方がよっぽど子どもだよ。大和くんは冷静に分析してる。」
「当たり前だろ。俺は当事者なんだ。主観が大きくなる。」
「いつまで被害者のつもりだ。お前はもう子どもじゃない。」
「はぁ!?大人になりゃ全て許されんのかよ!大人の理屈を理解しろって?俺はー「け、賢人さん、友さんは、混乱してるんです。少し、待ってあげてください。」
言い合いになる俺たちの間に入り、さりげなく場をおさめる。
いい嫁だ。
「…そうだね。確かに、性急すぎたようだ。『強要はしない』なんて言いながら、分かってもらおうと必死になってしまったよ。それに関してはすまなかった、友。」
「いや、別に……」
たしかに困惑するだろう。
当たり前だ。
「あの、このことって今まで…。」
「あぁ、誰にも話したことないよ。実際兄さんに、ああしろこうしろと言われた訳じゃないしね。」
「じゃあ、今日は緊張しましたか?」
「は…?」
大和くんは真剣な顔で俺を見ている。
「うん、まぁ、そうだね…。一大決心だから。昨日は眠れなかったよ。」
そうなのだ。
柄にもなく緊張した。
目の下を擦る。
「じゃあ今、友さんと同じ気持ちなんですね。」
「へ?」
「何言ってんだ、大和。」
「だって、2人とも衝撃の事実を開示と告知されています。この、なんていうか…インパクト?っていうのは、言う人と言われる人にしか分かりませんよね。」
インパクト?
そうだ。
俺だって…
「俺だって悩んでたんだぞ!色々……!兄さんは昔から何にも言わねぇから、これでいいのかな、とか思いながらお前とか、賢太郎とかと関わってたけど、正解がわかんねー中、不安だったんだぞ!辛いのはお前だけじゃねぇ!」
突然立ち上がって半ギレの俺に、
友は一瞬呆気にとられた顔をしたが、
すぐさま立ち上がる。
「はぁ〜!?いきなり告知しといて、逆ギレかよ!こっちはもっと悩んでた、つーの!!つか、最初から分かってんなら、どうにかしろや!」
「お?なんだ?悲劇のヒロイン気取りか?!はぁ〜、情けないもんだなぁ、友!自分だけが英雄で?自分だけが可哀想で?はっ、まるでマリーアントワネットだな!」
「は!?全っ然ちげーし!マリーアントワネットは実際悪行してんだろーが!医者のくせに頭悪ぃな!そんで俺はマリーと違って真っ当に生きてきてるわ!」
「マリーアントワネットは関係ねぇだろ!」
「叔父さんが言い出したんだろーが!あれか、ジジイになってボケてきたか!?」
「はぁぁ!?クソガキが何言ってやがる!!あのなぁ、俺は『若いですね〜』以外言われたこと無い、つーの!!お前こそ30超えて随分老け込んできてんじゃねえか?顔、しわっしわだぞ!」
「(カチーン。)アンタに言われたかねーわ!つか何が『若いですね〜』だ、どうせもう加齢による勃起不全だろ!ハゲっ!!」
「(カチーン。)不全じゃねぇし、誰がハゲだ!フッサフサだろうが!なんの危機もねぇわ!!お前こそ年くって性欲も落ちて、ちんこも勃たねぇんだろ!ばーか!」
「勃ってるわ!勃ちまくってるわ!お陰様で大和のこと毎晩毎晩アンアン言わしまくってるわ、ボケ!!ふにゃちんヤローが!いい病院紹介してやろうか!?」
「勃ってるわ、ボケェ!!てかお前、大和くんが満足してるかどうかなんて分かんねーから!」
「満足しとるわ!!いつもセックスの時は意識ぶっとんで、アンアン言ってんだ!感じまくってんだよ、大和は!」
「甘いな!!それが演技じゃないって言い切れるか!?大和くんはお前に気を遣って、アンアン言ってるだけなんだよ!」
「はぁ!?演技じゃねーし!!いいか、大和はな、感じた時は尻がきゅ〜っと締まって、ちんこから潮までー」
ドンっ!と机を叩く音がして、思わず振り向くと、
そこには、ぷるぷると全身を震わす大和くんがいた。
「や、やめて下さいッッ!!!!2人とも、バカじゃないの!!?最低だぁ〜!!」
バタン!
大和くんが部屋を出て行ってしまった。
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