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未来にしおりをはさみました!
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未来
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突然のことに、僕も友さんも言葉を失う。
机の上には海外のものだろうか、外国語で書かれたパンフレットだ。
先に口火を切ったのは賢人さんだった。
「友、お前が今の仕事を誇りに思ってるのは知ってる。それを否定する気は全くない。…だけど、お前は兄さんが憎かった…愛されてないと思ってたから。…でも、違うって分かったろ?」
「……そ、そうかもしれないけど、そんな、急には…。」
戸惑う友さん。
そりゃそうだよね。
僕はフォークを置いて、友さんの側に寄る。
友さんがチラリと僕を見て、頭を撫でてくれた。
「友、医者になったからって白鷺の家に戻るわけじゃない。てか、戻れねぇから、あの家とは全く関係ない。何の強制も受けない。」
「…じゃあ、何で…?」
友さんが質問した。
「…兄さんが言ってた。『子どもの中で一番友が医者に向いてる。アイツは一番根性があるから、折れない奴だ。』って……。」
「親父が……そんな……」
「意外か?俺には全然意外じゃないよ。兄さんはお前が白鷺の家に縛られることを恐れる反面、お前が医師になることを本当は願っていた。…自分の背中を見て育って欲しかったんだろうな。」
何てことなんだろう。
友さんのお父さんは、ずっと、どんな気持ちだったんだろう?
友さんが生まれた時、
友さんがお母さんに怒られている時、
友さんが出て行った時……
考えただけで、僕は胸が苦しくなった。
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