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未来にしおりをはさみました!
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未来
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「もちろん、無理にとは言わない。少しでもその余地があるなら、考えて欲しい。」
「…俺には仕事があるし、世話んなった社長もいる。だからー」
ガタン!
「僕っ!!医者になります!!」
「「へ?」」
突然立ち上がった僕に、2人とも驚いている。
友さんを見つめる。
「大和?」
優しい友さん。
強い友さん。
こんな弱い僕を好きだって言ってくれる。
大切に想ってくれる。
僕は、友さんのためなら何だって辛くないよ。
「僕、医者になります。そこの国、どこか知らないけど行きます。」
「や、大和何言って……」
「君は、隣町の高校らしいね。あそこはかなりのレベルだけど、学内での順位は?」
「この間は5番でした。」
「何聞いてんだよ叔父さん。大和は関係ないだろ?」
「関係ないことありません!」
「何だよ、ちょっと待……」
「その学力ならおそらく問題ない。けれど、君は海外に行って生活できる?まぁ、身の回りのことぐらいはできるだろうけど、買い物一つ、文化慣習の違う中で生きていかなきゃならないんだよ?君はとてもいい子だけど、積極的とは思えない。」
ふんばれ、僕。
僕は、負けない。
「僕は、何もできません。身の回りどころか、ご飯も作れません。いじめ…られてたこともあるから、人との関わりも怖い。」
「じゃあ難し…」
「でも!僕には友さんがいます!!」
ひゅっ、と隣で友さんが呼吸したのが聞こえた。
友さん、今度は僕があなたのために在りたい。
「友さんが、僕のご飯を作ってくれます、あ、もちろん僕も手伝いますけど…お皿出すとか……そ、そして、買い物も友さんと行きます!お金の管理も友さんにしてもらいます!アルバイトも不安だけど、友さんがいたら、絶対できます!大学も…友達とか、授業とか心配もあるけど、友さんと一緒に通えば……
友さんが居れば、僕は何でもできます!!」
い、一気に喋りすぎた……!
はぁ、はぁ、と息をする。
目の前の賢人おじさんは、にんまりと笑っている。
「あれ…友さん?」
友さんを見ると、今まで見たことがないくらい真っ赤で、
その瞳が潤んでいた。
「…大和くんは本当に素敵な子だね。友、彼は答えを出したみたいだよ。……お前は?」
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