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18歳以上ですか?
近くて遠いにしおりをはさみました!
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近くて遠い
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かなりの距離自転車を漕ぎ、着いたのは繁華街。
「すみませんっ。」
謝りながら、オロチを追う。
「ワンワンワンワンワンッッ!!」
オロチが鳴き出した。
どうなってるんだ。
細い路地に入って行く。
自転車を置いて、走って追いかける。
「ワンワンワン!ガルルルルルルっ!」
「おいっ!オロチ!!」
追いかけると、そこには誰かと一緒に兄ちゃんが居た。
「オロチ!大和まで・・。なんでここに?」
「あれ、兄ちゃん。こんなとこに居たんだ。
いや、なんかオロチが急に家から飛び出して、ここまできたんだ。
ここで、何してたの?
あ、この人は知り合い?
えっ!!いや、人じゃない?豚が
「ハァハァ、人だよ、人!人類だっ!
失礼だな。兄ちゃんってことは、2人は兄弟かな?
ハァハァ、あ〜、いいね。可愛い兄弟だねぇ。
皆んなで待った甲斐があるよぉ。ハァハァ。」
え?
人間じゃないよね?
豚そのものだけど。
でも喋ってる。
もしや、飛べない豚はただの豚、の人!!?
実在したんだ。
・・いや、にしてはオーラ無いな。
大体サングラスだしな、あの人。
そんなことを考えていると、大通りの方から10人ぐらいの男の人がゾロゾロ入ってきた。
「オイ、徳川。こいつらか?
へぇ〜〜、可愛いじゃん。楽しめそうだな。」
ニヤリと顔を歪めた。
なんだ?
楽しむって何?
状況が理解できないままいると、兄ちゃんがサッと俺を背に隠すように立ちはだかった。
兄ちゃん・・・?
「ガウッッッ!」
オロチが急に飛び出した。
「あっ!オロチ!」
「痛って!!何しやがる!」
オロチが1人の男に噛み付いた。
足にぶら下がってる。
ガツッ!と鈍い音がした。
「キャンッ!」
「オロチッッッ!」
オロチがこっちに蹴飛ばされた。
動かない。
僕は慌ててオロチの元へ。
「オロチ、オロチ、」
声をかけるがピクリともしない。
胸はわずかに上下してるから、浅い呼吸はできてるようだ。
体温が下がってしまう。
僕は着ていたカーディガンでオロチを包み、膝の上に抱いて身体を撫でた。
「大丈夫だからな。」
声をかける。
その時だった。
ゴンッッ!!
「うあっ!」
兄ちゃんの声・・・!
振り向くと、兄ちゃんが背中から壁に吹っ飛んでいた。
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