アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
運動会にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
運動会
-
「大和っ!」
兄ちゃんが観客席から手を振ってる。
いつもこうやって運動会に来てくれるんだ。
僕のことを心配してるのも分かってる。
優しい兄ちゃん。
兄ちゃんが誰かに話し掛けてる。
白鷺さんだ・・・
2人で話してる。
楽しそうだ。
僕にはあんな顔してくれないな・・
そう思ってたら、こちらに手を振ってくれる。
どんな顔をすればよいか分からず、一瞬たじろぎながらも会釈した。
僕はすぐに校舎裏へ行った。
また、鉛筆を持って。
こないだ刺した穴は数分で消えた。
当たり前だ。
鉛筆を強めに押し付けただけなんだから。
また、グッと腕に刺す。
消してくれ
この嫌な感情を
前よりも少し長い時間が必要だった。
同じように穴があく。
血は出ない程度に。
あぁ、安心する・・・
「先輩?」
急に名前を呼ばれ、慌てて振り返る。
鉛筆は、こっそり隠す。
委員の後輩で女子生徒だ。
名前なんだっけ?
思い出せないな。
「なに?」
これは・・・
「今日のリレー素敵でした。あの、私前から先輩のことが好きでした!今、彼女がいなければ、付き合って下さいっ!」
またか・・・。
「ごめんね。彼女はいないけど、付き合うことはできないよ。気持ちは嬉しかったありがとう。」
テンプレ式に返事する。
「いえ。すみません、急に。ありがとうございます。
あの、一つだけいいですか?先輩って好きな子って・・・」
「いるよ、好きな人。」
「あ、そ、そうですか!すみません、失礼しますっ!」
後輩の女の子は走って行った。
なんだろうか、たまにこういうことがある。
昔からあった。
知ってる。
これが罰ゲームだっていうことも・・・
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
71 / 293